研究課題/領域番号 |
22K07169
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩上 佳史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60597441)
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研究分担者 |
杉本 智樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20882244)
小山 啓介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90804071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 膵癌 / 骨格筋 / 癌微小環境 |
研究実績の概要 |
サルコペニアは加齢や疾患に伴う骨格筋量の低下と筋力低下として定義され、近年消化器癌領域において周術期の短期成績のみならず長期成績との関連が注目されている。その中でも浸潤性膵管癌(以下、膵癌)患者は特に外分泌機能障害によりサルコペニアの発症頻度が高く、サルコペニア症例では無再発生存期間および全生存期間が短縮することが報告されているが、その病態や機序の詳細については未だ解明されていない。申請者は分泌臓器としての骨格筋の役割に着目し、骨格筋と膵癌細胞および癌微小環境との相互作用を解明することで、膵癌の新たな治療戦略を開発することを目的とする。 本研究では、in vitroの骨格筋細胞刺激モデルを作成し抽出した検体より候補myokineを同定すること、また候補myokineの受容体を臨床検体で評価することを評価の特色とする。具体的には、骨格筋量と術前治療後膵癌根治切除症例の予後解析、in vitroにおける骨格筋細胞の培養と刺激系の確立、刺激骨格筋より抽出したmyokineの発現解析、刺激骨格筋細胞培養上清添加による膵癌細胞の悪性度変化の解析、膵癌根治切除症例におけるmyokine受容体発現解析について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、術前化学療法症例における術前の骨格筋の評価と予後との関係を解析した。またin vitroにおいて骨格筋筋芽細胞を分化させた後、電気刺激を加えて培養する系を確立することに成功した。次に電気刺激培養を行った骨格筋細胞を、次世代シークエンサー(NGS)でのRNAシークエンス(RNA-Seq)に提出する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroの骨格筋細胞を用いたRNAシークエンスの結果より、候補myokineを選出し、癌細胞、及び癌微小環境を構成する細胞(遺残癌細胞、免疫担当細胞、癌関連線維芽細胞)と共培養実験、及び臨床検体を用いた予後解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次世代シークエンスへの提出が今年度内の提出とはならず、次年度になったため。次年度はRNAシークエンスの結果より候補myokineを選出してアッセイを行う予定である。
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