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2023 年度 実施状況報告書

スキルス胃癌の浸潤や腹膜播種に寄与するチロシンリン酸化蛋白質の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07176
研究機関順天堂大学

研究代表者

白木原 琢哉  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30548756)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードリン酸化タンパク質 / スキルス胃がん / FGFR2
研究実績の概要

昨年度に続き、FGFR2シグナルの活性化しているスキルス胃がん細胞株で強くリン酸化修飾を受けるLSR (lipolysis-stimulated lipoprotein receptor)の機能解析を行った。LSRの複数箇所のチロシン残基をフェニルアラニンに置換した変異体を作製してFGFR2と共に過剰発現し、リン酸化標的部位を探索した。Y406を置換した変異体で最もリン酸化レベルの低下が認められた。FGFR2の活性化しているスキル胃がん細胞株では、コレステロール輸送体のVLDLの濃度に依存して細胞増殖が促進し、その増加率はFGFR2非活性化の胃がん細胞株と比べて高かった。このVLDLによる増殖促進作用にLSRの発現やリン酸化が関与するかどうかを検証するため、siRNAを用いてLSRのノックダウンを試みた。LSRの発現量を下げたスキルス胃がん細胞株では、VLDLへの感受性が減少していた。ただし、LSRのタンパク質を完全にノックダウンすることはできず、VLDLによる細胞増殖を強力に抑えることはできなかった。さらに、スキルス胃がんにおけるリン酸化LSRの機能を検討するため、VLDLを添加した細胞でのLSRの局在を観察した。VLDL添加1時間後にLSRの内在化を確認したが、FGFR2活性化阻害剤を用いてもその抑制効果は認められず、LSRリン酸化の機能を見出すことはできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究立案当初に予定したノックアウトライブラリが完成していないため、浸潤・転移関連リン酸化タンパク質のスクリーニングが施行できていない。しかし、代わりに新規リン酸化タンパク質の機能解析を進行することができた。

今後の研究の推進方策

リン酸化LSRの機能解析を進める。LSRのノックダウンが不十分なため、CRISPR-Cas9システムを用いたノックアウトを計画中である。FGFR2が恒常的に活性化していない胃がん細胞にFGFリガンド刺激を与えることで、LSRのリン酸化やVLDLへの感受性の変化を調査することも予定している。
研究計画にあるコラーゲンゲルへの三次元細胞培養を利用した浸潤細胞のスクリーニングの実験系確立も進行予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部の研究計画の進捗に遅れが出ているため。次年度に細胞培養関連の消耗品代として使用する予定。

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公開日: 2024-12-25  

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