研究課題/領域番号 |
22K07184
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
沖田 結花里 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30743710)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がん幹細胞 / 腫瘍形成 / GPNMB |
研究実績の概要 |
がん幹細胞は、腫瘍中に数%しか存在せず増殖速度も遅いが、抗がん剤や放射線などの治療に対して抵抗性が高く、転移や再発の原因になると考えられている。またがん患者死原因の約90%は転移や再発であり、がんの根治を目指すにはがん幹細胞の性質を理解し、それを標的とした治療戦略が必要である。これまでに、glycoprotein NMB (GPNMB)が乳がんの腫瘍形成、転移形成さらにはがん幹細胞様特性の誘導に重要であることを明らかにしており、がん幹細胞様特性の誘導は、GPNMBが細胞表面へ局在することが重要であることを見出している。そこで本研究課題では、GPNMBの細胞表面への輸送機序を解明すること、また細胞表面に局在するGPNMBと他の受容体タンパク質との相互作用について検討することで、GPNMBによるがん幹細胞様特性誘導について理解し、がん幹細胞を標的とした新たな治療法の確立を目指すものである。 令和5年度は、これまでに同定したGPNMBと結合するタンパク質の機能解析を行い、その遺伝子をノックダウンすることによる乳がん細胞株の細胞増殖能、運動能、腫瘍形成能への影響について検討した。またGPNMB存在下でそれらが関与するシグナル伝達経路に影響を及ぼすという結果が得られ、これらのシグナル伝達経路の活性化とがん幹細胞性獲得について検討することができた。乳がん細胞株より、GPNMB、GPNMB結合タンパク質恒常発現抑制細胞株を樹立できたので、今後はマウスを用いて腫瘍形成に与える影響についても検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに同定したGPNMBと結合するタンパク質の機能解析を行った。またGPNMB結合タンパク質が関与するシグナル伝達経路の活性化への影響についても検討することができた。これら今年度得られた知見は、がん幹細胞を標的とした新たな治療法の確立を目指す上で重要な知見になると思われ、これらをもとにさらなる解析を進めることができるので、計画はおおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.これまでに同定したGPNMBと結合するタンパク質がシグナル伝達経路の活性化に影響するという結果が得られた。今後はこれらのシグナル伝達経路の活性化とGPNMBによるがん幹細胞性獲得について検討を続ける。 2.乳がん細胞から樹立した結合タンパク質のノックダウン細胞をマウスに移植し、腫瘍形成などに重要であるのか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿費の支払いのために残しておいたが足りなかったため、翌年度分として請求した助成金とあわせて使用予定である。
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