研究課題/領域番号 |
22K07229
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
小島 正継 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10452236)
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研究分担者 |
村田 聡 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90239525)
住本 秀敏 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (00306838)
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | TAL / ネオ抗原 / 腹膜播種 / PDX / CTL / 細胞免疫治療 |
研究実績の概要 |
患者腫瘍由来neo-Agの高効率な同定技術とOX40刺激下培養によるメモリーCTL誘導技術を基に、neo-Agペプチド刺激とOX40補助刺激のもと、TGF-β陽性細胞除去カラムにより免疫抑制性細胞を除去した患者癌性腹水中の免疫細胞(TAL)を培養することによって、担癌生体内でも抗腫瘍機能維持可能な腫瘍neo-Ag特異的メモリーCTLを樹立し、患者腫瘍移植PDXマウス前臨床試験モデルで、治療効果を検証することを目的として研究を進めた。 癌性腹水(胸水)のある胃癌、大腸癌、膵癌、乳癌(胸水)患者から、癌性腹水・胸水と正常組織より抽出したDNAから、次世代シークエンサーを用いて癌細胞での体細胞突然変異を同定を試みた。。アミノ酸変異を伴う変異に絞り、患者HLA-class Iに親和性の高い変異抗原ペプチドをNeo-Ag候補とし、さらにTALに免疫原性のあるNeo-Agの同定を試みた。さらに、Neo-Agペプチドの合成を進めた。同時に、患者の癌性腹水中の癌細胞が免疫不全マウスの腹腔内で生着した腹膜播種性転移-PDXマウスモデルを、胃癌、大腸癌,膵癌、乳癌患者ごとに作製した。 OX40刺激によるメモリーCTLの誘導; 患者癌性腹水由来のTALからTGF-β陽性細胞除去カラムにより、免疫抑制性細胞(TregやMDSC)を除去したT細胞を分離した。・抗原提示細胞として、患者末梢血単核球(PBMC)より分離したCD4+T細胞をPHAにて刺激・増殖し、PHA-blastを作成した。・PHA-blast を抗原刺激細胞として、合成Neo-Agペプチドをパルスし、TAL由来T細胞を培養刺激した。・分離したT細胞に対して、Neo-Agペプチド刺激とOX40補助刺激下に培養し、Neo-Ag特異的-メモリーCTLを誘導した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
がん性腹水からNeo-Agを同定でき、TALからOX40刺激によるメモリーCTLを誘導する実験が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
CTLのNeo-Ag 特異性の検証を行う。誘導されたCTLのNeo-Ag 特異性は、Neo-Agペプチド再刺激によるCTL細胞内IFN-γ染色(ICS)により確認する。 PDXモデルにより免疫細胞療法の抗腫瘍活性の証明を行う。患者の癌性腹水中の癌細胞が免疫不全マウスの腹腔内で生着した腹膜播種性転移-PDXマウス腹腔内へ、同一患者のTALから誘導したNeo-Ag特異的メモリーCTLを細胞移入し、抗腫瘍効果を観察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね計画通りに予算執行ができた。残額14,156円は次年度にNOGマウスの購入に充てる。
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