研究課題/領域番号 |
22K07230
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下條 正仁 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任准教授(常勤) (90591925)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 核酸医薬 |
研究実績の概要 |
本研究に用いる抗腫瘍核酸医薬(SRRM4 ASO)は、神経内分泌がんの小細胞肺がん及び一部の前立腺がんに異常発現しているSRRM4を標的としている。SRRM4は腫瘍抑制因子RESTのスプライシングを誘導し、正常な活性を有するREST発現を低下させている。さらに、RESTスプライシングを直接変化させるREST SSOを開発し解析に用いた。REST SSOは、RESTスプライシングを変更し、REST発現を上昇させることで細胞死を誘導することを見出している(Cancer Cell Int 2023, 23:8)。SRRM4を異常発現している前立腺癌細胞にSRRM4 ASO及びREST SSOを導入後、RNAを抽出しマイクロアレイ解析(miRNA及びmRNA)を行なった。アイクロアレイ解析ではコントロールと比較して2倍以上または1/2以下になったmRNA及びmiRNAを抽出し解析した。その結果、SRRM4 ASO及びREST SSOでは、SRRM4が有意に抑制された一方で細胞内のmiR-4516が有意に増加していた。発現上昇した一部のmRNAに関して詳細な検討が必要であるが、発現減少した遺伝子による二次的な変化だと考える。また、その他数種の発現変動したmiRNAに関しては、その機能などを検討中である。SRRM4 ASOによってSRRM4が抑制されREST発現が上昇し、多くのRESTにより発現を制御される遺伝子が抑制されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロアレイ解析で得られた発現増加/減少するmRNAはRESTに抑制されるRE1遺伝子であるかを検証するため、ChIP-Atlasデータベースで解析を行なった。その結果、発現減少したmRNAのほとんどがRE1遺伝子であることが明らかとなった一方で、RE1遺伝子であるか不明のものがあった。これらはデータベースにRE1遺伝子として報告されていない可能性があり、論文での報告を含めて検討している。また、発現上昇したmRNAに関しては、どのようなメカニズムで発現上昇したのか検討中である。miRNAのうち、発現上昇した中にmiR-4516が検出された。これは、SRRM4発現上昇にともなって細胞内のmiR-4516は減少していたこれまでの結果と相関する結果であり、今後、各遺伝子の発現解析をqPCRなどで詳細に検証する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイ解析で見出された遺伝子及びmiRNAの発現解析を行う予定である。SRRM4 ASO及びREST SSOにより変動するmRNAおよびmiRNAは抗腫瘍効果のバイオマーカーになる可能性が考えられ、in vitroで解析を進めた後、動物実験での解析を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度行ったマイクロアレイ解析が順調であり、次年度に行う予定のものと一緒にまとめることとした。
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