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2022 年度 実施状況報告書

BRCA関連重複癌患者の全エクソン解析を通じた新規癌発症リスク因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22K07233
研究機関岡山大学

研究代表者

谷岡 真樹  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60573045)

研究分担者 枝園 忠彦  岡山大学, 大学病院, 講師 (30509451)
中村 圭一郎  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90359886)
柳井 広之  岡山大学, 大学病院, 教授 (90379735)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード重複癌 / 全エクソン解析
研究実績の概要

既に国立がんセンター中央病院において2008年から20年の間に診断されたBRCA関連癌重複患者50名の正常組織と腫瘍組織50名の全エクソン解析を実施した。腫瘍では相同組換え(HR)欠損を反映するLoss of heterogeneity(LOH)スコアを算出した。24例(48%)にBRCA1(n=13)、BRCA2(n=9)、ATM(n=1)、TP53(n=1)、MRE11(n=1)、BLM(n=1)、TET2(n=1)の生殖細胞変異があり、3例(6%)にはこれらの変異が2つ含まれていた。他の26名のうち、乳癌と膵臓癌を重複した1名は、LMO2の生殖細胞変異が唯一の候補として見出された。さらに、彼女は乳房と胃にびまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)を2回経験していた。LMO2はDLBCLの予後因子として知られており、53BP1と相互作用して相同組み換えを阻害し、びまん性大細胞型リンパ腫のPARP阻害に合成致死を与えることも知られている。Variant allele frequency(VAF)は生殖細胞では52%であったが乳腺腫瘍で68%とさらに高く、LOH scoreは乳腺腫瘍で24%と高値であった。以上からLMO2の新規変異は、PARP阻害剤に反応するDLBCLおよびBRCA関連癌の原因となる可能性があると考えられた。さらにバイオバンクジャパンにおいて、びまん性大細胞型リンパ腫と乳癌、膵臓癌、または卵巣癌を重複した103名の患者の中で、これまでに認められたLMO2のバリアントを有する症例が認められるかを検討したものの、バリアント症例を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

バイオバンクジャパンにおいて、びまん性大細胞型リンパ腫と乳癌、膵臓癌、または卵巣癌を重複した103名の患者の中で、LMO2のバリアントを有する症例の有無に関する検討が終了した。

今後の研究の推進方策

神奈川県立がんセンターの重複癌患者の全エクソン解析を行い、これまでの重複癌患者の結果と比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

神奈川県立がんセンターのサンプルの全エクソン解析が遅れているため。次年度実施予定の当該解析等に必要な費用に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] BRCA関連重複癌と生殖細胞の全エクソン解析により同定された新規候補遺伝子2022

    • 著者名/発表者名
      谷岡真樹
    • 学会等名
      人類遺伝学会

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公開日: 2023-12-25  

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