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2023 年度 実施状況報告書

代謝を介した腫瘍免疫機構の解析に基づいた骨髄腫予後因子同定と治療層別化の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K07242
研究機関東京医科大学

研究代表者

田中 裕子  東京医科大学, 医学部, 講師 (70449130)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード腫瘤形成骨髄腫
研究実績の概要

骨髄腫細胞のクローンは多様であり腫瘤形成形質細胞腫を形成する細胞と骨髄穿刺などで得られる骨髄内の細胞では代謝システムや免疫環境などの骨髄腫細胞が進展するメカニズムに相違があるという仮説を立て骨髄穿刺検体と形質細胞腫検体の双方が採取されている45例を解析している。一方、腫瘤形成のない骨髄腫との免疫、代謝の腫瘍微小環境の相違を明らかにするため診断時に腫瘤形成を伴わない40例を設定し臨床情報の収集と解析を継続している。FISH検査による染色体異常の検証では、予後因子として挙げられているt(4;14)、t(14;16)、1q+、del17pに加えて近年予後不良因子として注目されているdel1qの解析を追加した。特に1番染色体に関する異常は、腫瘍免疫に関与する進展機序が疑われており、腫瘍微小環境での免疫細胞浸潤と代謝システムを解析することで骨髄腫の進展様式や治療抵抗性のメカニズムについて新たな知見を得られることが期待される。
組織におけるMCT1・MCT4発現、T細胞浸潤の解析は、抗体の選択や蛋白発現量、細胞数などのカットオフ値設定が引き続き難航しており1年経過してもデータを得られていない。次年度以降は、腫瘍微小環境の免疫、代謝に関するバイオマーカーについて新たな因子を探索することも考慮する。最終的には、細胞レベルでの代謝システムと免疫環境の評価を治療や予後などの臨床データと関連づける因子を同定できるよう研究を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

T細胞浸潤を評価するための免疫染色方法やカットオフ値、MCT1・MCT4発現の評価が設定できず非常に進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

臨床情報、画像所見、FISH法による染色体異常などのデータを基に今回対象となった腫瘤形成骨髄腫と対照群として腫瘤形成がない骨髄腫症例を40例について二群間の臨床データによる検証を引き続き継続する。免疫細胞浸潤やMCT1・MCT4発現などの微小環境での代謝システムのデータを収集し、臨床データとの関連を評価していく。特にFISH法による染色体異常と骨髄腫の腫瘍微小環境との関連について注目し解析していく。

次年度使用額が生じた理由

既に購入した物品で検査が施行できたため次年度使用額が生じた。次年度は、本年度まで進捗が遅れていた研究を遂行する必要がある。臨床検体の免疫染色や染色体検査の追加、データの統計解析などこれまで十分実施でなかった研究を行う計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] WEE1 and PARP-1 play critical roles in myelodysplastic syndrome and acute myeloid leukemia treatment2023

    • 著者名/発表者名
      Okabe S, Tanaka Y, Moriyama M, Gotoh A.
    • 雑誌名

      Cancer Cell International

      巻: 23 ページ: 128-128

    • DOI

      10.1186/s12935-023-02961-3.

    • 査読あり
  • [学会発表] 濾胞性リンパ腫患者のCOVID-19罹患状況に関する当施設における後方視的解析2023

    • 著者名/発表者名
      田中裕子
    • 学会等名
      第85回日本血液学会学術増改

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公開日: 2024-12-25  

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