研究課題/領域番号 |
22K07279
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 修平 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90885518)
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研究分担者 |
貴島 晴彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10332743)
平山 龍一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (20593734)
木嶋 教行 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80534627)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 髄膜腫 / 遺伝子多型 / 自然歴 / 予後予測 |
研究実績の概要 |
本研究では、国内でも有数の髄膜腫患者の一般的臨床情報だけではなく、画像データやゲノム情報を分野横断的に統合解析することで、悪性化を含む腫瘍増大に関わる危険因子等を見出し、髄膜腫の自然歴の解明および予後予測アルゴリズムの構築を目標としている。これまでの研究において、頭蓋内髄膜腫の半数以上を占める円蓋部/傍矢状洞/大脳鎌髄膜腫について、症候化する体積や典型的な成長速度のデータを算出し、報告した。また自然歴や予後に影響を与える宿主遺伝要因や腫瘍遺伝要因について解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当施設で治療歴のある1,700例を超える髄膜腫患者の一般的臨床情報や画像データを含む統合的データベースを作成中であり、800例程度のデータベース化が完了した。また、髄膜腫の自然歴や予後に影響を与える宿主遺伝要因の解明を目的として、400例超の髄膜腫患者の血液検体収集ならびに一塩基多型(SNP)タイピングが終了し、現時点におけるゲノムワイド関連解析(GWAS)を施行中である。さらに、“手術標本を用いた病理組織学的解析と体細胞遺伝子変異解析”に必要なカスタムパネルを作成し、髄膜種を含むがん関連の780遺伝子変異×100例の解析を施行した。細分化された体細胞遺伝子変異の有無を確認することにより、悪性化を含む腫瘍増大に関わる遺伝子変異の同定を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
上記SNPデータや体細胞遺伝子変異情報と、我々が作成・保有している髄膜腫データベースにおける一般的臨床情報を組み合わせた解析を行う。統合的髄膜腫データベースの作成・追加・更新を引き続き行う一方で、畳み込みニューラルネットワークを利用した人工知能による自動画像解析システムの開発を行う。その画像情報や遺伝的要因を用いた分野横断的オミクス解析を行うことにより、髄膜腫の自然歴の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に引き続き、髄膜腫患者の更なる血液検体収集ならびにSNPタイピングを行い、さらに確度の高いGWASを施行する予定である他、上記遺伝的要因の解析が終了した際の成果発表に経費を使用する予定である。
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