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2022 年度 実施状況報告書

大腸癌におけるVEGF receptor 2を標的とした制御性T細胞の制御

研究課題

研究課題/領域番号 22K07285
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

花山 寛之  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00622333)

研究分担者 河野 浩二  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40283204)
三村 耕作  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード制御性T細胞 / VEGF receptor 2 / 大腸癌
研究実績の概要

① The Cancer Genome Atlas (TCGA) のcolorectal cancer (CRC) datasetを用いて、Foxp3とVEGF receptor 2 (VEGFR2)発現の相関関係、制御性T細胞(Treg) signature(IL2RA, FOXP3, CTLA4, SLC35D1, GDPD3, CISHの平均値)とVEGFR2発現の相関関係を検討した。結果は、前者が r=0.4411 p<0.0001、後者が r=0.3809 p<0.0001であり、各々が有意に正の相関関係を示していた。
② CRC症例のTregにおけるVEGFR2発現を検討する際のコントロールとして、健常人の末梢血単核球検体を用いてflow cytometryを行った。同実験で用いる抗体(CD3、CD4、CD45RA、Foxp3、VEGFR2、7AAD)の働きを確認し、コンペンセーションを確立した。また、TregにおけるVEGFR2の発現を確認した。
③ 術前化学療法、放射線療法、閉塞性CRCに対するステント挿入術を施行されていないCRC症例を対象として、末梢血単核球、腫瘍浸潤リンパ球、プレパラート(手術摘出標本)の検体を収集している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

① Public data baseを用いた解析を行った。
② 今後の実験に使用するflow cytometryの抗体の作用を確認し、機器の設定を確立した。
③ コントロール検体において、TregにおけるVEGFR2発現を確認した。
④ CRC症例から、末梢血単核球、腫瘍浸潤リンパ球、プレパラート(手術摘出標本)の検体収集を開始した。

今後の研究の推進方策

① 30例のCRC症例から、末梢血単核球、腫瘍浸潤リンパ球、プレパラート(手術摘出標本)の検体を収集する。ただし、術前化学療法・放射線療法と閉塞性CRCに対するステント挿入は、腫瘍局所の免疫応答に影響を及ぼす可能性があるため、これらの治療が施行された症例は本研究対象から除外する。腫瘍浸潤リンパ球は、新鮮な手術摘出標本の一部(癌を含む腫瘍辺縁部)より、gentleMACS Dissociator(Miltenyi Biotec)を用いて分離する。
② ①の検体(末梢血単核球、腫瘍浸潤リンパ球)を用いて、CRC症例のTregにおけるVEGFR2の発現状況をflow cytometryで検討する。CD3、CD4、CD45RA、FOXP3を用いてTregを5つに分類し、各分画におけるVEGFR2の発現程度を比較検討する。
③ ①と同症例の手術切除標本より得たプレパラートを用いて、Treg (Foxp3) におけるVEGFR2の発現を蛍光多重免疫染色で検討する。また、正常粘膜部位と腫瘍部位において、TregとVEGFR2陽性Tregの浸潤頻度について比較検討する。
④ 進行CRC5例の抹消血単核球より、CellVivo Human Treg Differentiation kit(R&D Systems)を用いてTregを分化誘導する。VEGF and/or 抗VEGFR2抗体の存在下でautologousのリンパ球と分化誘導したTregを共培養し、共培養後におけるCD4陽性またはCD8陽性T細胞の増殖能の変化をCSFEで、誘導されるapoptosisをAnnexin Vと7-AADを用いてflow cytometryで解析する。加えて、培養後の培養液上清中におけるTGF-βとIL-10の濃度をELISAで測定する。

次年度使用額が生じた理由

・当該年度は、TCGA の data base を用いた解析、follow cytometryの設定、少数のコントロール検体の測定を主に行っていたため、必要な消耗品が少なかった。
・今後、30例分のCRC検体の測定(flow cytometry、蛍光免疫染色)や、in vitroの実験を行うため、それらの実験に用いる物品(flow cytometry用抗体、免疫染色用抗体、サイトカイン、消耗品等)を購入する。
・研究成果が得られたら、随時それらの発表(旅費)や論文報告に助成金を使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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