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2023 年度 実施状況報告書

Bloom症候群モデルマウスを用いた血液腫瘍発症を予防する遺伝子治療前臨床試験

研究課題

研究課題/領域番号 22K07295
研究機関金沢大学

研究代表者

伊川 泰広  金沢大学, 医学系, 准教授 (10722043)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード遺伝子治療 / Bloom症候群
研究実績の概要

本研究はBlm遺伝子のバリアントにより発症するDNA修復障害疾患であるBloom症候群のモデルマウス(Blmマウス)の易発がん性を利用し、Bloom症候群のがん発症予防を目的とした遺伝子治療前臨床試験の樹立にある。Blm遺伝子をレンチウイルスベクターを用いてBlmマウスの骨髄細胞に遺伝子導入することで、放射線照射により発症する胸腺腫瘍の発症割合が減少するかを検討する。
はじめに、遺伝子導入を行うレンチウイルスの作製をおこなった。DNA修復障害疾患を有する細胞は、遺伝子導入をする際に必須となるサイトカイン刺激により容易にアポトーシスする。そのため、アポトーシスを防ぐためにBaboonエンベロープに改変したレンチウイルスを用いることとしている。本研究を行う上で必要な改変レンチウイルスを多数作製し終わった。
次に、Blmマウスの胸腺細胞を分化段階に則した細胞分布が、野生型マウスであるC57/BL6マウス(B6マウス)と比較した。すると、BlmマウスとB6マウスでは、細胞分布に明らかな違いがないことがわかった。
そこで、放射線照射を行い、胸腺細胞に分布の差が出るかを検討した。すると、特定の集団で、Blmマウスの細胞分布が有意差を持ってB6マウスと比較して異なることを示すことができた。
現在、BlmマウスとB6マウスに4Gyの放射線照射を行い、胸腺腫瘍の発症を確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

進捗がやや遅れている理由として、研究を開始した頃のコロナウイルス感染症の流行がある。
コロナウイルスの流行に伴い、研究施設への立ち入りが制限されたこと、時施設での診療に費やすエフォートが格段に増えたことから、研究に対するエフォートが減ってしまったことになる。
現在は、コロナウイルス感染症流行前に戻った研究環境にあるため、順調に進めることが推察される。

今後の研究の推進方策

現在、BlmマウスとB6マウスに放射線照射を行い、胸腺腫瘍発症を確認中である。腫瘍発症まで平均250日かかることが既報から明らかとなっており、250日後に発症割合、胸腺腫瘍発症の原因細胞の特定を細胞表面抗原解析や病理学的検査を進めていく。胸腺腫瘍の特性が明らかとなったのちに、Blmマウスの骨髄細胞にBlm遺伝子をBaboonエンベロープ改変レンチウイルスを用いて導入する。Blmマウスにブスルファンを用いて前処置を行い、Blm遺伝子とMockとしてGFP遺伝子を導入した骨髄細胞を自家移植する。その後に、同様に放射線照射4Gyを行ったのと、250日の観察期間を経て、胸腺腫瘍の発症割合や細胞起源を解析し特定する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額として194,323円が生じた。従来、試薬の購入等を行う予定としていたが、2024年1月1日に発災した令和6年度能登半島地震による影響で、予定通りに研究を進めることが困難な状況となったことが、予定使用額との差異が生じた理由である。地震の影響は概ね落ち着いたため、2024年度より細胞培養試薬等に用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Characterization of Genomic Instability in Hematopoietic Stem Cells of Blmtm3Brd/tm3Brd Mice for Pre-clinical Trial of Lentiviral Gene Transfer to Prevent Bloom Syndrome Related Hematological Malignancy2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Noguchi, Yasuhiro Ikawa, Mika Takenaka, Yuta Sakai, Toshihiro Fujiki, Rie Kuroda and Taizo Wada
    • 学会等名
      26th annual meeting of American Society of Gene and Cell Therapy
  • [学会発表] Identification of Genomic Instability Markers in Hematopoietic Stem Cells of Blmtm3Brd/tm3Brd Mice for Pre-clinical Trial of Lentiviral Gene Therapy to Prevent Hematological Malignancies in Bloom Syndrome Patients2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Noguchi, Yasuhiro Ikawa, Mika Takenaka, Yuta Sakai, Toshihiro Fujiki, Rie Kuroda and Taizo Wada
    • 学会等名
      第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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