研究課題/領域番号 |
22K07297
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河合 信行 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20724561)
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研究分担者 |
兵藤 文紀 岐阜大学, 高等研究院, 准教授 (10380693)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60643020)
加賀 徹郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (20897334)
加藤 博基 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70377670)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 慢性肝炎 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 超偏極MRI |
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は線維化を経て肝硬変を生じるため、肝細胞癌の原因の1つとなっている。有病者は増加の一途を辿っているにも関わらず、非侵襲的及び確実性のある確定診断法は存在しないため、新たな診断法が望まれている。脂肪肝からNASHへの進展は酸化ストレスが主因の1つと考えられており、生体内代謝を可視化する超偏極技術(DNP-MRI)が応用可能な領域である。本研究では、DNP-MRIを用いた生体内代謝イメージング法において、NASH病態の肝ミトコンドリア代謝をはじめとする生体内代謝を可視化することで、線維化前診断法を確立することを目的とする。 本年度は、NASH病態におけるCarbamoyl PROXYL (CmP) をプローブとした反応機序解明を行った。これまでの研究でCmPは還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を補酵素としてミトコンドリアにて代謝を受けること、また活性酸素との反応ではグルタチオン(GSH)が必要でミトコンドリア代謝と反応を区別できることが証明されている。そこでマウス肝ミトコンドリアを用いた検討を行い、CmPがミトコンドリア電子伝達系において還元反応によりフリーラジカルを消失することが明らかとなった。またストレプトゾシン(STZ)と高脂肪食(HFD32)を用いた新たなNASHモデルマウスの構築を検討したところ、HFD32開始30週付近で進行したNASH病理像を得ることに成功した。ただしNASH病態としては、過度に進行していたため本研究の早期診断へ向け、より早期における解析が必要であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に基づき研究を推進しており、当該年度の目標とする結果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究において、CmPのミトコンドリア電子伝達系における代謝反応の媒介を明らかにした。引き続き同一被検体(NASHモデルマウス)にて複数のプローブを使い分けた生体代謝メカニズムの解明に着手する。またブタを用いたCmPの動態・毒性検証とNASHモデルによる検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入が予算より少額であったため次年度使用額が生じたが、次年度は計画通りの予算執行が可能であると考える。
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