研究課題/領域番号 |
22K07313
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
虻江 誠 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (50599967)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がん遺伝子パネル検査 / 融合遺伝子 / 腫瘍源性 |
研究実績の概要 |
保険診療でのがん遺伝子パネル検査によって多くのがん患者の包括的ゲノムプロファイルが得られるようになり、これまで報告がなかったようなゲノム変異が観察されている。エキスパートパネルにおいても新規のゲノム変異については追及するすべがなく議論ができないまま終了してしまう事が多い。特にいわゆる遺伝子再構成についてはパネル検査結果から得られる情報が乏しいため、ドライバー候補かどうかも不明なままである。本申請では申請者が所属する宮城県立がんセンターのがん遺伝子パネル検査において観察された融合遺伝子についてその機能解析を実施することでドライバー変異か否かを確認し、がん発症の分子機構の解明や新規薬剤標的候補を同定することを目標とする。今年度は当センターで実施された遺伝子パネル検査のうち、いわゆる遺伝子再構成の存在が確認できた5例について特異的プライマーを設計し、PCRによる融合領域の増幅が可能か否かを確認した。その結果2例においてイントロン間での結合とその結果生じる融合遺伝子のフレームが合致することで融合タンパク質が発現しうることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来機能解析や組織病理学的解析を実施しなければならないがその点まで到達していない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度得られた融合遺伝子候補について免疫組織化学的染色などを実施、これらのタンパク質の発現や細胞内局在の変化などを検討し、実際に融合タンパク質が細胞内で産生されているかの確認を実施する。また、可能であれば新鮮凍結標本を入手、融合mRNAを検出可能かも検討する。mRNAがある場合はcDNAを合成し、そこから融合遺伝子産物をクローニングすることで発現ベクターを構築、各種培養細胞へ導入することで機能解析を実施する。具体的には細胞形態の変化、細胞増殖能の変化、足場依存性の有無の確認などを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回は検体の探索、薄切作成とその後のDNA抽出に時間を要した。またプライマー設計後のPCRの条件検討などにも時間を要したことから機能解析に至らなかったことが主たる要因である。今後、融合遺伝子候補を中心に各種分子生物学的手法での発現ベクター構築やその後の機能解析、症例検体を対象として免疫組織化学染色、可能な症例についてはmRNAを解析対象とした融合産物の検出などを実施する。
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