研究課題/領域番号 |
22K07360
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木村 俊哉 関西医科大学, 医学部, 助教 (10622186)
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研究分担者 |
六車 恵子 関西医科大学, 医学部, 教授 (30209978)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 神経変性 / ALS / オプティニューリン / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
オプティニューリン(OPTN)は緑内障や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子であり、前頭側頭葉変性症、アルツハイマー病、パーキンソン病の発症にも関与すると想定されている。本研究では治療法開発のニーズが高いALSに着目し、OPTN-ALSの患者由来iPS細胞を用いて、本疾患の神経変性機構を解明することを目的とする。 OPTN遺伝子に変異を持つALS患者の体細胞から樹立したiPS細胞、および健常者由来のiPS細胞を用い、脊髄運動神経(iPS-MN)を分化誘導した。二次元培養系を構築し、分化誘導6週後に形態学的および細胞生物学的解析を実施したところ、患者由来iPS-MNにおいて特徴的な表現型が認められた。表現型の一部は患者剖検でも観察され、本二次元培養系はOPTN-ALSの病理学的特徴の一部を再現しうると考えられる。樹状突起形態を解析したところ、患者由来では健常者由来に比べ樹状突起が縮小する傾向にあった。またALSの主要な病理学的特徴である封入体形成を解析したところ、両方の患者由来においてアルツハイマー病の神経原線維変化の構成因子であるPHF-TAUの封入体様構造が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OPTN変異型ALSの病理学的特徴を再現する実験系を構築したため。
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今後の研究の推進方策 |
我々の構築した培養系においてOPTN-ALSの病理学的特徴を同定する。そのために脊髄運動神経の分化誘導から解析までの時間をさまざまに変え、先に述べた表現型の他、ALS関連の病理学的特徴を解析する。またトランスクリプトーム解析を行い、遺伝子発現レベルで運動神経が正常状態から変性過程に遷移する最初期段階を同定するとともに、発現プロファイル上で見られる特徴的変化を明らかにする。
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