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2023 年度 実施状況報告書

ストレス誘因性のマイトファジー異常によるミクログリア極性転換のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07378
研究機関帝京大学

研究代表者

平澤 孝枝  帝京大学, 理工学部, 准教授 (10402083)

研究分担者 内野 茂夫  帝京大学, 理工学部, 教授 (30392434)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードミクログリア / 母子分離 / マイトファジー
研究実績の概要

ストレスを受けたマウスや精神疾患モデルマウスでは、ミクログリアが活性化することが報告されている。さらに、ストレスを与えたマウスや自閉症などの疾患モデルマウスにおいて脳内ミクログリアが既に炎症反応を起こしている知見を得ている。その結果から、幼若期ストレスに起因するミクログリアの活性化は単に由来だけではなく、M1/M2という極性の変化であると考え、幼若期のストレスによって起こるミクログリアの極性転換経路について、11β-HSD1によるグルココルチコイドの活性化を引き金としたミトコンドリア代謝活性異常との関連を明らかにすることを目的とする。R5年度は単離したミクログリアの特性の検討と母子分離実験に着手し、ミクログリアの動態や極性を検討し、極性の性質を把握するためにミクログリアの単離と共培養下におけるそれぞれの極性を検討した。出来るだけ多くのミクログリアを必要としM1/M2が刺激に応じて変化するかを検討し、3つの手法(生後マウス脳よりパーコール法を用いた単離法や、アストロサイト培養細胞からの単離法、マイクロビーズ法による単離法)と検討した。今年度、PBSにて心臓より還流し、脱血することで血球系細胞を除去し、パーコール密度勾配遠心法によってデブリとミクログリア細胞の分離を試みたところ、純度が高く、生細胞を多く採取することが出来た。In vitro実験ではLPSによる刺激にて神経細胞のダメージは純培養下では影響が少ない。一方、アストロサイトとの混合培養では大きなダメージ(神経細胞死)を受けることが分かった。ニューロン-グリア(アストロサイト、ミクログリア)の相関を検討し、ミクログリアの極性と保護、炎症作用を検討した。In vivo実験では母子分離をおこなったモデルマウスを用いて、in vitroから得られた情報よりターゲットとなる分子の解析を始めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ミクログリア-アストロサイト などの混合培養を純培養系に持っていき、さらにそこから脳の組成と合うように混合培養を行う系の確立を試みた。それに伴い、母子分離ストレスによるin vivo実験が遅れたためやや遅れていると判断する。この後、ストレスを受けた仔マウス脳の組織解析とタンパク質発現解析を行う。

今後の研究の推進方策

M1細胞の細胞株であるMG5を用いたが、増殖スピードが遅く目的の実験を行う程のサンプル量の取得には難しい。しかし、今年度は新たなサンプル採取法にてin vitroによるターゲット分子の同定は進められるようになった。今後in vivoにおける炎症性マーカーによる確認や阻害剤による作用を進める。一方で、計画案の神経炎症時のニューロンの直接的な作用は見られず、興味深い結果となった。特にアストロサイトの炎症性とミクログリアの保護作用が重要であるという結果が得られたため、in vitroの実験からアストロサイト-ミクログリア間の細胞間コミュニケーションを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

抗体の値段が円安により高騰したため予算を前倒し請求したが、全額を使用することがなかったため次年度使用額が生じた。次年度使用額および請求額は必要な抗体、および解析試薬に充当する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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