研究課題/領域番号 |
22K07399
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
川村 良一 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (90533092)
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研究分担者 |
高田 康徳 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (20432792)
大澤 春彦 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90294800)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 / レジスチン / 遺伝子 / 一塩基多型 / ハプロタイプ / 白血球 |
研究実績の概要 |
レジスチンはインスリン抵抗性を惹起するサイトカインである。マウスにおいては脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインであるが、ヒトにおける主な発現部位は白血球である。血中レジスチンは、インスリン抵抗性のみならず、炎症や動脈硬化とも関連する。申請者らは、血中レジスチンはプロモーター領域に存在する一塩基多型(SNP)-420とSNP-358によって非常に強く規定されていることを報告した。本年度は一般住民の健診を予定通り行い、一般健診データの他、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)による血糖値・インスリン値をはじめとする臨床データ、頸動脈エコーなどの動脈硬化検査、認知症やサルコペニアの評価も行った。また、DNA、RNA、血清、尿などのサンプルを採取した。レジスチンSNPは既にタイピングし、ハプロタイプを同定した。環境因子としては、栄養摂取量、身体活動量、飲酒、喫煙などを定量した。本年度は、横断研究において、血中レジスチンはβカロテン当量と負に関連することを報告した。また、レジスチンSNP-420/-358のG-Aハプロタイプを有すると、高感度CRPが高く、炎症を伴う腹部肥満と関連することを報告した。レジスチンハプロタイプと発現部位としての白血球数や機能との関連を解明するため、RNA-seqを行い、発現変動遺伝子を同定、パスウェイ解析を行っている。主要な遺伝子発現に関しては、qRT-PCRを行った。現在、本コホートは前向きに追跡の健診を行っており、動脈硬化・心血管病、認知症、サルコペニアなど、インスリン抵抗性関連疾患発症との因果関係を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに住民健診を行い、サンプルを採取した。横断研究、前向き研究を遂行し、RNA-seq等による機能解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
一般住民健診を継続し、サンプル数を増やすと同時に、前向き研究も遂行する。遺伝疫学研究に、RNA-seq、タンパクの網羅的解析、DNAメチル化解析などを統合し、レジスチンを標的としたプロモーターSNP・白血球特異的遺伝子発現相乗効果を解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は健診でのサンプル収集を行った。RNAやタンパクの測定を次年度以降に予定している。
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