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2023 年度 実施状況報告書

細胞系列分類の確立による胆道腺癌と前癌病変の病態解析および発癌分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07414
研究機関信州大学

研究代表者

太田 浩良  信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50273107)

研究分担者 松田 和之  信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (00647084)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード胆管癌 / BilIN / 免疫組織化学
研究実績の概要

1. 肝外胆管癌にて切除された胆管の背景粘膜に認められたBilIN(low grade:31例、high grade:44例)について、胃・腸および胆管上の形質発現に着目して、分類を行った。胃上皮マーカーとしてclaudin18およびMUC5ACを、腸上皮マーカーとしてcadherin17(CDH17)、GPA33、sucrase(小腸吸収上皮のマーカー)およびMUC2(腸杯細胞ムチンのコアタンパク)を用いた。さらに、胆道上皮マーカーとして硫酸基転移酵素を使用した。BilINは、low gradeでは、胃型が32.3%、腸型が12.9%、胃・腸混合型が38.7%、胆管上皮型が16.1%とされ、high gradeでは、胃型が36.4%、腸型が22.7%、胃・腸混合型が27.3%、胆管上皮型が6.8%、分類不能が6.8%であった。腸型では、CDH17とGPA33の発現に比べsucraseとMUC2の発現頻度が低く、更にsucrase陽性の吸収上皮に比べMUC2陽性の杯細胞が少ないことが示された。BilINでは胃型および腸型の細胞が優勢であり、腸型では、従来の組織像基準で重視されていた杯細胞の出現頻度が低いことが示され、腸型が過小評価されていた可能性がある。
2. 大管型(LD型)のマーカーとされるS100Pと小管型(SD型)の新規マーカーとして見出したオステオポンチン(OPN)の免疫染色に基づくと、肝内胆管癌74症例は41例がLD型、32例がSD型に分類された。LD型はSD型に比べて全生存期間(P=0.007)と無再発生存期間(P<0.001)が有意に短いことが示された。S100PとOPNの免疫染色に基づいた肝内胆管癌のサブタイプ分類は肝内胆管癌の臨床病理学的解析ならびに分子生物学的解析の基盤となると期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

胆管上皮層内腫瘍(Biliary Intraepithelial Neoplasia: BilIN)の免疫表現型分類と肝内胆管癌のサブタイプ分類に有用な細胞系列マーカーを見出した。

今後の研究の推進方策

肝外胆管癌(浸潤癌)につき解析を進める。胃型、腸型および胆管上皮型の臨床病理学的、病理組織学的および分子病理学的解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

一般試薬が予定よりも安価に購入できたため次年度使用額が生じた。次年度の試薬購入に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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