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2023 年度 実施状況報告書

高齢者のCOVID-19感染リスクを安全に低下し得る新規戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K07416
研究機関大阪大学

研究代表者

竹下 ひかり  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (10791577)

研究分担者 山本 浩一  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00528424)
樂木 宏実  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (20252679) [辞退]
中神 啓徳  大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
林 宏樹  大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (20813364)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードアンジオテンシン変換酵素2 / ACE2 / 老化 / COVID-19
研究実績の概要

アンジオテンシン変換酵素2 (ACE2)は、新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の原因ウイルスSARS-CoV2の受容体として利用されることが知られている。このため、ACE2の臓器発現を抑制する薬剤介入は、COVID-19感染予防策として注目されており、その候補としてキヌレニン (Kyn) などの環芳香族炭化水素受容体のリガンドが候補として挙がっている。しかしながら、ACE2は多機能分子として知られ、循環調節システムであるレニン-アンジオテンシン(RA)系の制御や、必須アミノ酸であるトリプトファン (Trp)の吸収に寄与することが知られている。このACE2のRA系における機能はSARS-CoV2感染時において重症化予防に資することが明らかになっており、また、我々は以前、ACE2が抗老化に寄与する可能性を示唆する結果を得ている。このため、ACE2の発現抑制はCOVID-19感染予防には有用であるが、特に高齢者においてはCOVID-19重症化を悪化させる危険性をはらんでいる。
そこで我々は、KynがTrpの中間代謝産物であることから、Trp補充がACE2の抗老化作用を補完しながらACE2 の発現抑制を介してCOVID-19感染リスクを軽減させる可能性があると考えた。この理論においては、ACE2の抗老化作用がTrp吸収能に依存することが前提となるため、『ACE2の抗老化機能はTrpなどのアミノ酸吸収能に依存する。』との仮説を設定し、主にアミノ酸吸収に寄与する腸管に分布するACE2を特異的に欠損させたマウスを用いて検討を行っている。本年度は、腸管特異的ACE2欠損マウスとコントロール群のマウスの老化に関わる形質について観察する目的で、各マウスの筋力の経時的変化の評価を行い、同時に血中や糞尿中のアミノ酸の測定を行うことで、アミノ酸代謝と老化形質の関わりについて検証を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、腸管特異的ACE2欠損マウスとコントロール群のマウスに対して、3、6、12か月齢において筋力を中心とした表現型のモニタリングを行った。同時に血液・糞便を採取し、Trpを含む各種アミノ酸濃度の測定を行った。

今後の研究の推進方策

おおむね申請書に従って研究を推進する。ただし、感染リスクの評価については、使用予定であったシュードタイプウィルスが入手困難であるため、実験の実施内容の見直しを行う。
また、生体サンプル中のアミノ酸濃度測定結果次第では、予定していたアミノ酸の投与実験に変更が生じる可能性がある。

次年度使用額が生じた理由

今年度の使用額は、主にマウスの飼育に関わる経費とマウス生体サンプル中のアミノ酸測定に充てる予定であったが、実際の支出が予定していた額よりも少なかった。
一方で、次年度に行うマウスへのアミノ酸投与実験の方法を、経口投与から腸管からのアミノ酸吸収に依存しない浸透圧ポンプでの投与に変更したことで、さらなる予算が必要であることが判明したため、繰越した費用を浸透圧ポンプの購入に充てることとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ACE2 の発現制御に着目した高齢高血圧患者のCOVID-19 感染リスクを安全に低下し得る新規戦略の理論的基盤構築2023

    • 著者名/発表者名
      竹下 ひかり、山本 浩一、樂木 宏実
    • 学会等名
      第45回日本高血圧学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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