研究課題/領域番号 |
22K07430
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (20396732)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 酸化型アルブミン / 糖尿病合併妊娠 / ミクログリア |
研究実績の概要 |
本研究は、糖尿病が出生前から高齢期にいたる様々なライフステージにおいて認知機能に影響を与えるメカニズムを解明することを目的とする。 (1) 臨床研究として、参加同意の得られた糖尿病患者を対象に、認知機能検査の結果と脳ステロール代謝や酸化ストレス等を反映する新規血液バイオマーカーの関連を評価する。追跡によって観察される認知機能の変化および血管合併症の進行と関連する指標を探索する。追跡した研究参加者の酸化型アルブミンの変化と認知機能検査の点数、血管合併症の進行について主要なデータを収集し解析した。ベースライン時点で単純網膜症を有していた参加者のベースライン酸化型アルブミン値と、5年後の網膜症の状況に有意な関連を認めた。 (2) 培養細胞や遺伝子操作マウス、糖尿病モデルマウスを組み合わせて、候補分子の中枢神経系に与える影響を評価する。また、糖尿病合併妊娠マウスから得られる胎仔ならびに仔個体を用いて、脳組織における遺伝子の発現変化を評価し、行動変化との関連を明らかにする。糖尿病合併妊娠マウスから得られた胎仔の遺伝子発現をRNAseqによって網羅的に評価し、興味深い結果が得られた。また胎仔脳ミクログリア細胞の形態的変化を同定し、定量的評価を行った。主要な結果について、国際学会(IDF-WPR Congress)で報告した。表現型に性差が存在し、より詳細な解析を進めている。 (3) 耐糖能異常合併妊娠における妊娠転帰の後方視的検討を行なった。分娩に際しての母体合併症、児の合併症、出産後の耐糖能に関連する項目を同定し、学会において報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究について、酸化型アルブミンの追跡研究が進展し、合併症予測マーカーとしての有用性を示唆する結果が得られている。 耐糖能異常合併妊娠における妊娠転帰の後方視的検討について、倫理審査委員会の承認を得て、興味深い関連が得られている。主要な結果について学会報告に至っている。 糖尿病マウス脳の網羅的解析については、糖尿病合併妊娠モデル胎仔の解析を中心に進め、主要な結果を国際学会で報告した。論文化に向けて追加の解析を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究:酸化型アルブミンの追跡研究について、収集したデータの主要な解析は終了している。他の酸化ストレスマーカーについても興味深い関連が得られつつあり、追加の解析を行う。 妊娠糖尿病もしくは糖尿病合併妊娠の母から出生した子の臨床研究について、産科および小児科等の関連診療科と準備を進めている。ヒアリング中であり、今年中の倫理審査委員会承認を目指す。 基礎研究:糖尿病合併妊娠モデル胎仔ならびに出生後の経時的追跡について興味深い結果が得られつつあり、論文化に向けて引き続き同モデルの解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に予定していた支出について、臨床研究については通常診療の範囲内でデータ収集が可能であったこと、基礎研究については既存のサンプルおよび試薬を使用することで追加購入を抑えることができたため、2023年度新たに実施する動物実験ならびに使用試薬の購入に使用したが、なお残余が生じた。論文化に向け、追加実験が必要となるため必要な物品の購入に充てる予定としている。
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