研究課題
・血液検査で過凝固状態(前血栓状態)ならびに血栓症の診断: 脳梗塞発症期でSoluble C-type lectin-like receptor 2 (sCLEC-2)が有意に高値であり、凝固波形(CWA)-活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)ならびにCWA-small amount of tissue factor induced FIX activation (sTF/FIXa)のpeak 高が有意に高値であり、過凝固状態の診断に有用であった(Clin Appl Thromb Hemost. 2023 Jan-Dec; 29: 10760296231161591)。COVID-19患者でも両者のpeak 高が有意に高値で、peak時間の延長が認められた(Medical Research Archives, 2023; 11)。担癌患者でも両者のpeak高が高値であり、血栓症例では有意に高値であった(論文作成中)。・上記診断のためのカットオフ値決定:脳梗塞症例でCWAのカットオフ値決定、担癌患者、心筋梗塞、感染症などでは検討中である。・大出血のリスク予想は、CWA-APTTによる腹部大手術例の検討は既に行ったが、全体では症例数が少ないために検討中である。・CWA-トロンビン時間(TT)により、ピーク高の増加機序はトロンビンバースト現象により、トロンビンバーストには血小板の活性化が関与することを確認した(J Clin Med. 2022; 11: 6142)。さらにCWAを用いて抗血小板療法のモニターを行う予定である。・血小板減少症においてCWAのpeak時間は延長し、peak高は減少することを既に報告しているが、さらにsCLEC-2との関係を含めて、血小板数と凝固の関係を検討する予定である。
2: おおむね順調に進展している
・脳梗塞、COVID-19、心筋梗塞例などの症例は集積できたが、大出血例や担癌患者の血栓症 発症例は、まだ症例数が足りない。・CWA-APTT、CWA-sTF/FIXa、CWA-TT、sCLEC-2の測定法が順調に行えた。・測定法が簡便で、比較的多数例を測定できる。・Emicizumabなどの試薬が入手できた。・過去の実験実績がある。
・心筋梗塞症例について解析を進める。・抗血小板療法例の測定により、血小板機能との関係を示す。・友病例を含めた大出血例の解析を進める。・血小板活性化剤によるCWAへの影響を検討する。・血栓予防への適応を検討する。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Clin Appl Thromb Hemost.
巻: 29 ページ: -
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