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2022 年度 実施状況報告書

エクソソーム解析によるインスリン抵抗性の分子病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07443
研究機関鳥取大学

研究代表者

大倉 毅  鳥取大学, 医学部, 講師 (80510073)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードエクソソーム
研究実績の概要

アメリカ オハイオ州 シンシナティ大学・シンシナティ小児病院において、アメリカ人小児肥満外科手術の前後での血中因子の解析を行い、全身の炎症マーカーと、エクソソームの炎症性因子の低下が認められた。マウス培養肝臓細胞を用いて、過剰な脂質など生活習慣病に関連する刺激を行ったところ、肝細胞から産生されるエクソソームの炎症性が亢進した。これらの結果から、エクソソームは生活習慣病において慢性炎症に重要な役割をはたしていると考えられた。
また、研究期間中、日本人2型糖尿病患者ではインスリン分泌低下に膵臓形成に重要な遺伝子である、PDX1(Pancreas duodenum homeobox 1)遺伝子多型が関与している事を、アメリカ糖尿病学会誌 BMJ Diabetes research and care誌に報告した。PDX1遺伝子がリスク型の場合、2型糖尿病患者、非糖尿病健常者共に、食事負荷試験による食後の血糖値は同様ながら、インスリン分泌低値であった。特に2型糖尿病ではリスク型では食後30分~60分のインスリン初期分泌不全を認め、インスリン反応に重要な遺伝子であると考えられた。しかし、グルコースクランプ試験によるインスリン抵抗性、肥満度には差を認めなかった。これらの結果から、PDX1遺伝子がリスク型であり、糖尿病状態になると、インスリン抵抗性に関係なく、インスリン初期分泌低下を示すことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肥満外科手術前後でのエクソソーム内RNA解析にて肝臓由来の炎症に関与するRNAの軽減を認めた。また、培養肝細胞を用いて、脂質、アミノ酸などの肥満、生活習慣病に関連する刺激を用いて検証を行ったところ、肝臓から産生されたエクソソーム内の炎症性蛋白、miRNAの亢進が認められた。

今後の研究の推進方策

肝細胞由来エクソソームのプロテオーム解析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] シンシナティ小児病院(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      シンシナティ小児病院
  • [雑誌論文] Significance of pancreatic duodenal homeobox-1 (PDX-1) genetic polymorphism in insulin secretion in Japanese patients with type 2 diabetes2022

    • 著者名/発表者名
      Okura Tsuyoshi、Nakamura Risa、Ito Yuichi、Kitao Sonoko、Anno Mari、Endo Satomi、Taneda Natsuka、Matsumoto Kazuhisa、Shoji Kyoko、Okura Hiroko、Matsuzawa Kazuhiko、Izawa Shoichiro、Ueta Etsuko、Kato Masahiko、Imamura Takeshi、Taniguchi Shin-ichi、Yamamoto Kazuhiro
    • 雑誌名

      BMJ Open Diabetes Research and Care

      巻: 10 ページ: e002908~e002908

    • DOI

      10.1136/bmjdrc-2022-002908

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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