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2022 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病前臨床期の血液およびPETバイオマーカーの有用性に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K07462
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

二橋 尚志  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医長 (00426496)

研究分担者 寺澤 晃彦  藤田医科大学, 医学部, 教授 (30399597)
櫻井 圭太  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医長 (70453066)
加藤 隆司  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院 放射線診療部, 部長 (60242864)
伊藤 健吾  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, 理事長特任補佐 (70184653)
木村 泰之  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 副部長 (20423171)
中村 昭範  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 部長 (00237380)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードシステマティックレビュー / アルツハイマー病 / バイオマーカー
研究実績の概要

AD continuumのpreclinical期、prodromal 期に焦点を当て、現在急速に開発が進む血液バイオマーカーと画像バイオマーカー(つまりPET検査)についてのエビデンスマップを作成し、「提唱された臨床マネジメントの改善に寄与しうるバイオマーカーの科学的根拠は現時点で如何ほどか?」に答えることが本研究の目的である。まず、血液バイオマーカーの、アミロイドとタウに焦点を当てて、テストスクリーニングを実施した。
1.直近の研究の動向から対象とする血液バイオマーカーをアミロイドβ、リン酸化タウ、NfL、GFAPの4種類を最初の候補とした。
2.対応するPET検査は、アミロイドPET、第二世代タウPETと設定した。
以上から、テストスクリーニングを行ったところPubMedで9696件の研究論文が検索された。一方、同様のエビデンスマップを作製した海外の研究グループは2020年に大規模な調査を実施し、血液アミロイドバイオマーカーのpreclinicalもしくはprodromal期を対象とした一次研究は8件、リン酸化タウを対象とした研究は7件報告された。リファレンススタンダードを病理学的に確認した研究は、前者では、1件、後者では3件であった。
横断的研究が多い傾向があるが、縦断的な研究報告も増加している現状である。それぞれに研究デザインや用いるリファレンス、さらに測定手法、診断カットオフの設定など、研究間での異質性が大きく、データ解析手法を考案するのに時間を要している。こうした問題を解決するため、エビデンスマップの作製と並行して、当センターで行っている一次研究の解析を行い、診断カットオフの設定、得られた結果の臨床応用方法などの知見を蓄積している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初の計画では、AD continuumの前臨床期に対して実施されたアミロイドとタウ関連の血液バイオマーカーおよびPET検査を網羅的に検索し、AD病態の存在診断、あるいはADの発症に関する発症予測能を検討した研究を採用し、エビデンスを蓄積したのちに、A) 血液バイオマーカーのみ実施(単独法)、B) PET検査のみ実施(単独法)、C) 血液バイオマーカーでスクリーニングし、スクリーニング陽性者のみにPET検査を追加(連続法)、D) 血液バイオマーカーとPET検査の両方を実施し、例えば一方でも陽性であれば検査陽性と
判断する等、操作的に定義(併用法)のいずれの検査手法が実臨床に最適なのかをモデル化することが目的である。最近、FDAがアルツハイマー病に対する疾患修飾薬を認可した。脳内のアミロイド沈着を除去し、認知機能の改善を目指すものである。日本でも臨床応用の検討が進んでいる。この流れの中で、確実に脳内のアミロイド蓄積を示すバイオマーカーの重要性が高まっている。こうした現状の中、急激に増加する一次研究を統合し、「提唱された臨床マネジメントの改善に寄与しうるバイオマーカーの科学的根拠は現時点で如何ほどか?」に答える重要度が高まっていると考えた。
現状に即した研究計画の練り直しに時間を要し、一方で、当センターの一次研究を解析することで、実際の検査の実施からデータ解析まで担当し、現状の確認に時間を要した。

今後の研究の推進方策

現在研究プロトコール論文を作成中であり、専門雑誌への投稿を目指している。
また、さらに、当初の計画通り一般的な検討項目の①研究課題選定と改変②文献検索③文献選択④バイアス評価⑤外的妥当性評価⑥データ統合⑦エビデンス全体性の評価について最新の標準的レビュー方法につき調査を実施し、結果統合を予定する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画が当初より遅延したことから論文の制作や情報収集のための経費支出が予定どおりに進まず、また参加を予定していた海外での学会参加などを見送ったことが理由に挙げられる。
本研究は、資料収集やデータ入力に人的資源が必要であり、今後も研究補助員の獲得やその人件費として使用予定である。また、資料購入費用、研究成果の論文作成(英文校正や出版費)所費、学会参加および情報収集目的の旅費に使用を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 前頭側頭葉変性症とアルツハイマー型認知症の血液バイオマーカーを用いた鑑別診断能.2022

    • 著者名/発表者名
      二橋尚志
    • 学会等名
      第41回日本認知症学会学術集会
  • [学会発表] AD continuumにおける18F-MK-6240の集積分布  第2報2022

    • 著者名/発表者名
      二橋尚志
    • 学会等名
      第62回日本核医学会学術総会

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公開日: 2023-12-25  

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