研究課題/領域番号 |
22K07472
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山城 安啓 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50243671)
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研究分担者 |
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (90316513)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己免疫性溶血性貧血(AIHA) / IgG1 / IgG3 / Coombs試験 / フローサイトメトリー |
研究実績の概要 |
フローサイトメトリーによる赤血球結合IgGのサブクラス別定量法を確立することを目指した。 ①当初予定していた福山臨床検査センターの研究協力者の体調不良による退職のため、BeckmanCoulter CytoFLEXから山口大学医学部保健学科に設置してあるMACSQuant Analyzer10で解析を行うこととなった。まずサブクラス別測定をするための基礎技術である赤血球結合IgG定量法の技術の獲得と信頼性のあるデータを出すためのトレーニングから始めた。健常検体と主治医からインフォームド・コンセントが得られ赤血球結合IgG定量検査目的で福山臨床検査センターに送付された検体を用いて検討を行った。福山臨床検査センターの検体は冷蔵で山口大学に輸送してもらった。使用した抗体は福山臨床検査センターで使用している抗体と同じものを使用した。結果は、機種間の違いにより測定値が約10倍違うが、関連性のある値が得られた。検体の古さにより、若干結果が乖離する検体があったため、原因を追求する必要がある。 ②赤血球結合IgGのサブクラス別定量を行うため、IgG1およびIgG3抗体を3つのメーカーから購入した。市販されている抗体は、メーカーにより結合性の違いから分布と平均値にかなりの差が認められ、結果が異なってくるため、種々の抗体を調べ、高感度で特異性の高い抗体を検索する必要がある。また、使用する抗体量や反応温度、時間などの最適化が必要である。現在、この抗体を用いて健常検体を測定し、使用可能かどうか検討中であるが、低値であるため高値検体の測定が必要である。 ③福山臨床検査センターに送られてきた検体はCoombs試験陰性のAIHA疑いの検体であるため、先天的な異常を除外するため、グロビン遺伝子定量やシーケンシングにより確認をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定したいた研究協力者の退職により、測定機種の変更による条件検討や測定者のトレーニングのため時間が必要となった。幸い、血球結合IgGの測定法を確立した際のプロトコールや福山臨床検査センターのプロトコールも参照できたため、移行手続きはスムーズであった。しかし、2機種間でのデータの比較など基礎的な検討に時間を要した。検体調整や抗原抗体反応などの手技がデータに大きく影響するため、技術の獲得と定着に時間を要した。健常人検体を用いてサブクラス別定量を行っているが、低値であるため高値検体を測定する必要がある。福山臨床検査センターに送られてくるAIHAの検体数がコンスタントでないため、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者(インドネシア人)の血球結合IgG測定の技術力が定着してきたため、本研究の目的である血球結合IgGのサブクラス別定量法の確立を本格的に進める。ただ、研究協力者の勤務が2日/1週間であるため、進行速度が遅い。そこで、勤務時間の見直しを行うと同時に他の研究協力者を養成する。これにより、健常者約100名を用いた血球結合IgG(トータル)と血球結合IgGのサブクラス別定量を行い、基準値(カットオフ値または基準範囲)の設定を行う。また、福山臨床検査センターに送られてくる検体測定を行い、Coombs試験陰性AIHAとAIHAの違いや、溶血の原因となる結合IgGのサブクラスの特定を行いたい。できれば、新たな温式AIHAの診断基準を設定したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会がハイブリッド形式で開催され、現地に行く必要がなくなりオンライン参加となった。また、COVIDの影響で研究会議もオンラインで行ったため、旅費が0円となった。人件費・謝金は事務手続きが遅れたため、他の費用(委任経理金)から支出したため少なくなった。機種変更により基礎的検討を行っていたため、福山臨床検査センターからの検体搬送費用が減額となった。しかし、消耗品が多く必要となったため、物品費は増額となった。 翌年度は4月から人件費・謝金が支払われることや、研究協力者の勤務体制の見直しにより増額となる。また、COVIDの分類が5類になることにより、学会や研究会議の現地参加となるため旅費が必要となってくる。福山臨床検査センターからAIHAの検体を随時冷蔵輸送してもらうための費用が増額となる。
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