研究課題/領域番号 |
22K07515
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横井 聡 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (30815460)
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研究分担者 |
井口 洋平 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80790659)
佐橋 健太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90710103)
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / シナプス / iPS細胞 / CRISPR/Cas9 / FUS |
研究実績の概要 |
本研究は、申請者が発見したシナプス形成に関わるFUS-SynGAP mRNA安定化機構を起点に、確立したiPS細胞由来運動ニューロンやASOの実験系を用い、今まで の研究で明らかにならなかったFUSのSynGAPを含めたシナプス機能に関わるRNAの代謝異常機構を明らかにする。また、研究成果を直接患者に応用でき、かつ正確 な対照群の設定のために、ゲノム編集で正常化した複数の患者サンプルとの対比により、FUS変異患者全体に共通した病態を解明する。FUSはRNA結合タンパク質であり、今までの研究からはFUSとシナプス機能に関わるRNAの結合変化がシナプス形成に重要であることを明らかにしており、免疫沈降により濃縮したFUSに結合するRNAを次世代シーケンサーを用いた網羅的解析によりシナプス形成に関与するRNAを同定し、治療薬開発の介入ターゲットとする。 今年度は昨年度樹立したFUS変異を持つALS患者株、および正常編集株のiPS細胞から分化誘導した運動神経の培養条件検討を行った。培地の最適化により神経活動を惹起できる最適な条件を設定することができた。この条件下で表現型解析を行ったところ、免疫染色ではALS患者株では運動神経のシナプス異常を認めた。またカルシウム流入を検出するタンパク質を発現させた運動神経のライブイメージング解析では自発神経活動の過活動を認めた。以上の結果からはFUSに関わるALSの初期病態を再現できたと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FUS変異を伴うALS患者株iPS細胞由来運動神経の培養条件確立、および表現型解析を完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
表現型解析で認めた異常を説明可能なRNAの網羅解析を行い、治療薬ターゲットの抽出を行う。
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