研究課題/領域番号 |
22K07521
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
尾原 知行 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20616388)
|
研究分担者 |
酒井 晃二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379027)
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30264782)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | Radiomics / CADASIL / 脳小血管病 / 大脳白質病変 / ヒストグラム解析 |
研究実績の概要 |
CADASILと高血圧性脳小血管病各それぞれ約30症例の頭部MRI FLAIR画像での大脳白質病変のヒストグラム解析を行った。両者ともに脳室周囲白質病変と深部皮質下白質病変で画像特徴量が異なることを明らかにした中で、両者で脳室周囲白質病変の画像特徴量は差がなかったが、深部皮質下白質病変で両者の鑑別が可能な画像特徴量を明らかにした。その結果を2024年5月日本神経学会学術大会、2024年10月にWorld Stroke Congress2024(カナダ トロント)で発表した。本結果は同一MRI機種から得られたMRI画像での解析であったが、さらに他機種のMRIで得られたMRI画像、CADASIL、高血圧性脳小血管病約20例ずつでも同様の解析を行い、結果の再現性を確認した。これにより我々の手法が汎用性があることを示した。この結果は成人発症白質脳症班の班会議でも発表し一定の評価を得て、今後本解析につき2025年度の国内学会発表を予定しており、論文投稿の準備をすすめている。 昨年度CADASIL患者の機能予後が頭部MRIでの大脳白質病変の体積よりヒストグラム解析での特定の画像特徴量と有意に相関することを示したが、本研究結果に関しては現在論文投稿中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CADASIL、高血圧性脳小血管病患者共に中等度以上の白質病変を呈する例が、予想していたよりも少なく、患者抽出、画像収集に時間がかかった。
|
今後の研究の推進方策 |
頭部MRI画像の大脳白質病変のヒストグラム解析によるCADASILと高血圧性脳小血管病の鑑別に関して、本年度は同一のMRI機器のみでの解析でなく、異なる頭部MRI画像でも同一の研究結果を得ることができた。頭部MRI画像の標準化をはかり、撮影した頭部MRI機器に関わらず、多数例での検討を行い、CADASILと高血圧性脳小血管病の大脳白質病変の鑑別の機械学習を目標に研究を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は国際誌への論文がアクセプトされなかったことや、機械学習を念頭にした画像解析のためのGPU搭載高性能パソコン機器を購入しなかったことが次年度使用額が生じた理由である。2024年度は多数例での機械学習を念頭に置いてデータ解析のためのパソコン購入、論文投稿費用(オープンアクセス)、国際学会での発表も控えており、相当量の支出があると予想される。
|