研究課題/領域番号 |
22K07524
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
園生 雅弘 帝京大学, 医学部, 教授 (40231386)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 徒手筋力テスト / 封入体筋炎 / 遠隔電場電位 / 体性感覚誘発電位 / 筋節 |
研究実績の概要 |
2022年度においては、先行研究(2019年度文部科研にて支援)において明らかにした研究成果をさらに発展させて、以下の研究を行なった。1) ALSの選択的筋障害の特徴として先行研究でarm sparing、weak shulderの2つの徴候を新たに見出したが、これらのreverse signが同様にALS診断に役立つことを見出し、データ解析中である。2) 下肢についてもALSに特徴的な筋障害分布があることを見出し、データ解析を開始した。3) ALS mimicとして重要な封入体筋炎(IBM)をALSと鑑別するための徒手筋力テストに基づく新たな徴候についての研究について論文執筆中である。4) ALS進行の新しいsurrogate markerとして複合筋活動電位の遠隔電場電位の有用性・再現性を示した論文がMuscle and Nerve誌に採択された。5) しばしば感覚障害を欠いて、ALSと紛らわしい臨床像を呈することがある腰部脊柱管狭窄症の潜在性の感覚伝導路病変を、体性感覚誘発電位によって検出する研究が、clinical Neurophysiology Practice誌に採択された。6) 僧帽筋の反復神経刺激試験や針筋電図を取り入れたALSの新たな診断基準を提唱する論文についてはClinical Neurophysiology Practice誌と改訂のやりとりを繰り返している。7) ALSと頸椎症の鑑別において重要な手がかりとなる筋節についてのinvited reviewが掲載された。 関連研究として、この他にも以下のような関連研究を遂行中である。8) ALSを含む器質性麻痺と、機能性神経障害(ヒステリー)による機能性麻痺との鑑別に役立つ新たな陽性徴候についての研究。これは英文誌に投稿し、現在改訂のやりとり中である。9) ALSに特徴的な安静時活動である線維束自発電位を線維自発電位/陽性鋭波、などの他の安静時活動、随意収縮運動単位電位と鑑別するための、発火リズム解析についての研究。 これらの研究について、学会発表、論文執筆のための英文校正、論文投稿料などに補助金を使用している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究と連続した研究については論文採択、投稿改訂中のものが複数あり、それ以外にも新規の研究についてのデータ収集などを進めており、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿中の論文の採択を目指し、そのほかの関連研究の論文執筆、学会発表などを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために、国際学会への発表が2年間全くできなかった。2022年にやっと国際学会参加を再開できたが、これを2021年度までの文部科研の継続使用から支出したため、本年度科研費からの支出がなかったため、多くの残金が生じた。
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