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2023 年度 実施状況報告書

PPARα活性化を標的とした新規脳梗塞治療の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K07544
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

星野 岳郎  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30724679)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードPPARα / 脳梗塞
研究実績の概要

基礎研究においては、マウス一過性中大脳動脈閉塞モデルに対して、ペマフィブラート(0.1 mg/kg、0.3 mg/kg、1.0 mg/kg)または偽薬を経口投与したところ、ペマフィブラート投与群において48時間後の2,3,5-Triphenyl tetrazolium chloride(TTC)染色による脳梗塞体積の有意な縮小、神経後遺症スコアの有意な改善が得られた。さらに同モデルを用いて、脳組織における炎症生サイトカインの発現をReal time-PCRで評価すると、ペマフィブラート群において一部の炎症性サイトカインの発現が有意に抑制されていることが明らかになった。これらの結果は、ペマフィブラートによる強力なPPARα活性化作用が、NF-κBなどを介した炎症反応を抑制し、脳梗塞急性期の組織障害を軽減するものと推測している。現在はさらにwestern blotting、免疫組織染色による検討を進めている。
ヒトを対象とした臨床試験においては、脳梗塞発症から2週間以上が経過し状態の安定した患者のうち、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症のある患者にペマフィブラートを投与し、血管イベントの発症、死亡、頸動脈超音波による頸動脈病変の進展度、脳MRI/Aにおける小血管病病変(白質病変)及び脳動脈狭窄病変の進展度、血液中の各種脂質・糖・炎症マーカーの追跡を継続している。治療開始後3ヶ月後の血液検査データの変化については既にJournal of Atherosclerosis and Thrombosis誌にて発表しており、PPARα活性化に伴うリポタンパク代謝異常(TG、HDL-C、レムナント)の著明な改善、炎症マーカー
(interleukin-6、高感度CRP)の低下がみられている。現在は2年間の追跡、データ解析を終了し、論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基礎研究においては、再現性を持ってペマフィブラートの有効性を確認できるモデルがある程度確立したため、その作用メカニズムを検証している段階である。
ヒトを対象とした臨床試験においては、2年間の追跡、データ解析を終了し、論文に投稿中である。

今後の研究の推進方策

基礎研究においては、western blotting、免疫組織染色を行い、ペマフィブラートの抗炎症効果について検討を進める予定である。
ヒトを対象とした臨床試験においては、まもなく結果を公表できる予定である。

次年度使用額が生じた理由

estern blottingや免疫染色に係る物品費用は次年度に持ち越す。

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公開日: 2024-12-25  

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