研究課題/領域番号 |
22K07554
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
樋口 悠子 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (60401840)
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研究分担者 |
高橋 努 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60345577)
笹林 大樹 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (80801414)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 精神医学 / 早期診断 / 精神生理学 / 睡眠医学 / 事象関連電位 / 不飽和脂肪酸 / 早期介入 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
計画書通り、15歳から30歳のサイコーシス発症リスク状態(以下、ARMS),および比較対象として健常コントロール,初発統合失調症のデータを収集した。それぞれ年間10人の収集は順調に行われている。また、これまでに研究にエントリーしていた患者のフォローアップについても順調に行えている。神経生理学的データとして、安静時脳波,聴覚オドボール課題によるP300,ミスマッチ陰性電位(MMN)の収集を継続している。特に安静時脳波については、多施設共同研究に参画したことによりデータの共有が行えるようになり、ビッグデータによる解析が行えている。更に、聴性脳幹反応のデータを新たに取得し始めたことにより、マルチモダルなデータ解析が行えている。睡眠脳波は、令和4年度に簡易デジタル脳波計を用いて約10名の健常者のデータを測定した。令和5年度は患者1名、健常者4名についてデータを追加した。多価不飽和脂肪酸濃度測定は順調に収集・解析ができている。今年度は2篇の原著論文を公表した。臨床症状/認知機能検査についても、問題なく収集できている。嗅覚機能検査は、院内の規定によりコロナ渦以後データ収集が行えなくなったため、中止した。マルチモダリティによるデータをサポートベクターマシンにより解析し、ARMSの将来の転帰を予測するための分類器を作成、原著論文として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の目標としての年間各症例10例づつの新規のデータ収集ができている。フォローアップデータの収集についても順調である。学会や論文による成果公表が継続して行えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、目標数のデータ収集に努める。解析については機械学習による解析を中心に継続していく。 他施設共同研究で得られた安静時脳波、聴性脳幹反応についても解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響を受け海外の学会発表は見送ったことおよび国内学会についてもオンラインでの発表があり、予定よりも旅費が少なかったため繰越金が生じた。次年度は複数の雑誌での成果公表を予定しており、繰越分は掲載料の支払いに使用する予定である。
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