研究実績の概要 |
ラットの海馬から抽出したtotal RNAを対象にRNAメチル化の計測に該当する、N6-methyladenosine (m6A)の計測をEpiQuik m6A RNA Methylation Quantification Kit (EpigenteK社)を用いて行ったが、再現性に乏しく定量に適していない事がわかった。このためRNAのdenatureやNuclease Pによる断片化などRNAメチル化計測についての前処理を行ってm6Aを計測する、N6-Methyladenosine ELISA Kit (Cell Biolabs)を用いた計測法に方法を変えている。このため現時点ではまだ、具体的なSPSラット海馬のRNAメチル化の障害についてはデータが得られていない。 RNAメチル化―脱メチル化反応を司る酵素である、METTL3, 14 mRNAやFTO, ALKBH5 mRNAの発現は、real-time PCR法を用いて計測を行っており、SPS処置後にラット海馬のMETTL3, 14の有意な発現増大が得られている。同じくSPS処置後のラット海馬のFTO, ALKBH5 mRNAには有意な発現の差はみられていない・ SPS負荷ラットを用いた、恐怖記憶の消去障害はContextual fear conditioningとextinction trainingによって行動学的に得られおり、N6-methyladenosineの計測やRNAメチル化ー脱メチル化反応を司る酵素のための計測用サンプルは作製できている。
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