研究課題/領域番号 |
22K07574
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
杉原 玄一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70402261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳画像 / 精神疾患 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、深層ニューラルネットワーク (Deep Neural Network; DNN) の情報の次元を削減し、その隠れた特徴量を抽出する長所を活かし、精神疾患脳画像研 究に用いられる多モダリティの脳画像の次元削減・特徴量抽出を行う汎用性の高いDNNを構築し、このDNNの精神疾患の脳画像解析への応用を探索・検証することを目的とする。入手した脳画像データセット(統合失調症、双極性障害、自閉症、注意欠如多動症を持つ被験者及び健常被験者の構造MRI、安静時機能的MRIが含まれる。合計1500名以上)に前処理(データ形式の整備、ノイズ除去、空間的標準化、平滑化、クオリティチェックなど)を行い、このデータを用いて機械学習的手法で機能的脳結合から精神疾患において疾患横断的な神経基盤の抽出を試みた。また、公開されている機能的脳画像の次元圧縮法を援用し、複数の施設での安静時機能的MRIのデータセットにおいて、脳画像データを256次元まで圧縮し、適切に再構成されることを確認した。抽出した256次元の特徴量を用い、多変量自己回帰隠れマルコフモデルを用いて機能的MRIの時間的変化状態の推測を行い、その疾患ごとの特徴を検証した。さらに脳画像における撮像施設間差を軽減する深 層学習モデルによってある施設の脳画像を別の施設で撮像した脳画像に変換することに成功し、この成果は論文投稿中である。以上に示したように、深層学習モデルを含めた機械学習を用いた脳画像処理法の検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述したように脳画像解析に関しては概ね順調に進捗している。ただし、機械学習関連の世界的進歩は著しく、その進歩を取り入れるべく新たな方法の検証も行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、データの収集を継続するとともに、複数のモダリティも対象に汎用性のある深層学習モデルの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究計画において、参加予定の学会を不参加としたため予算の一部が未使用となった。翌年度には、本年度に実施できなかった学会参加、論文発表などを行う予定である。
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