研究課題/領域番号 |
22K07625
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小高 文聰 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10349582)
|
研究分担者 |
松田 勇紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10726540)
曽根 大地 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10802051)
鬼頭 伸輔 東京慈恵会医科大学, 医学部, 客員教授 (20406987)
石井 洵平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60814100)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 治療抵抗性うつ病 / 前帯状皮質膝窩部 / 共活性化ネットワーク |
研究実績の概要 |
2023年度までに治療抵抗性うつ病患者(TRD)の臨床データ70名の臨床データを取得し、安静時機能的MRI(rs-fMRI)を撮像した23名を対象に予備的なデータ解析を開始した。撮像データがハーモナイゼーション法(HARP)を用いたマルチバンド撮像であったため、CAP法を行うための新たに解析系基盤を確立した。具体的には脳画像解析ソフトウェアであるFSL中の関数を用いた逆位相の2つのfMRIデータとスピンエコー法によるリファレンス画像から、変換モデルを利用した磁化率歪み補正を行う手法を確立した。予備解析では、うつ病の病態に関連する前帯状皮質膝下部(sgACC)をシード領域とした、磁気刺激療法(rTMS)による機能的ネットワークの動態を探索した。薬物療法に反応不良あるいは忍容性不良のうつ病患者をTRDと定義し、前処理の後MATLAB上で動作するCONNツールボックスでsgACCの治療前後の機能的ネットワークの変化を探索したところ、全被験者の治療前におけるsgACCは 、、と強い機能的結合があることが見いだされた。しかし、rTMS前後のsgACCの機能的結合の領域および結合度に関しては、有意差は認められなかった。原因として考えられる事項として、sgACCが磁場の歪みを受けやすい領域であること、テンプレートを用いた関心領域解析であったことが挙げられる。sgACCを中心とした機能的ネットワークの動的解析を行うためには、ノイズの少ない前処理と精度の高い関心領域の抽出が必要なことから、関心領域の取得法に工夫を加え更に解析を行っていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前帯状皮質膝窩部を中心とした予備的機能結合解析が開始できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
健常者の前帯状皮質膝窩部の共活性化ネットワークの時系列変化を評価する必要があるが、健常者のデータ取得が遅れているため対策を行う。うつ病患者に関しては治療前例を組み込めるように、新たな臨床研究を立ち上げる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予備解析に加え、歪み補正等の解析プログラムの作成に時間がかかったことから、本解析に用いる機器類の導入が遅れているため、2024年度前半には本解析が可能となるハードウェア環境を整備し、解析プログラムを早急に導入する計画である。
|