研究課題/領域番号 |
22K07635
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
辻川 哲也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30380033)
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研究分担者 |
前田 浩幸 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (20301202)
今村 好章 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 准教授 (40223341)
森 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教 (40397287)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エストロゲン受容体 / FES |
研究実績の概要 |
F-18 FES PETは生体内のエストロゲン受容体(ER)の発現量を解析する画像診断法である。本年度は乳癌症例11例にFES PET検査を施行した。これまでに術前にFES PETとFDG PETを施行した原発性乳癌症例計25例を対象とし、FES PETとFDG PETにおける腋窩リンパ節への集積の有無と病理組織学的リンパ節転移の有無を比較検討した。病理組織学的にリンパ節転移陽性の症例は10例(40%)であり、FDG PETで集積があった症例は7例(感度70%)、FES PETで集積があった症例は8例(感度80%)であった。腋窩リンパ節転移陽性でFES PETで集積がなかった2例は2.5mm以下の転移であった。腋窩リンパ節転移陰性の15例のうち、FDG PETで集積がなかった症例は9例(特異度60%)であり、FES PETで集積がなかった症例は15例(特異度100%)であった。腋窩リンパ節転移陰性でFDG集積があった6例は反応性集積と思われた。IHC法でのER発現がない病変ではFES PETにて集積を認めなかった。FES PETでは2.5mm以上の腋窩リンパ節転移を描出できており、炎症性集積などの偽陽性を認めなかったことから、術前FES PET検査で腋窩リンパ節転移陽性の症例においては、センチネル生検や腋窩リンパ節郭清による病理検索を省略し治療方針を決定できるのではないかと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間で10例以上とほぼ予定通りの検査数である。FDG PETおよび病理との比較も概ね順調に進んでいると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、病理標本での腫瘍間質の割合や、CTによる骨成分割合とあわせて原発腫瘍や転移巣のFES集積を解析し、より正確なER発現量に基づく治療方針の決定に用いる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の発注や納入がコロナ禍で滞ったため次年度使用が生じた。当該年度に購入予定だった試薬購入のために使用予定である。
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