研究課題/領域番号 |
22K07638
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
祖父江 慶太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90622027)
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研究分担者 |
村上 卓道 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20252653)
上嶋 英介 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40645561)
上野 嘉子 神戸大学, 医学研究科, 助教 (50625134)
増田 充弘 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (60512530)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 膵癌 / 人工知能 / 造影CT |
研究実績の概要 |
腹部造影CT画像に対して画像AI技術を用い、膵腫瘤および膵癌に付随する頻度の高い二次所見(主膵管拡張、主膵管狭窄、膵萎縮)の自動検出による膵癌自動診断システムの構築を試みた。深層学習を用いて、膵実質、膵管、腫瘤の各領域を自動抽出し、抽出結果に基づき膵腫瘤性病変ならびに二次所見の有無を判定可能なAIエンジンを構築した。トレーニングセット・バリデーションセットとして膵癌群、対照群あわせて1925例を用い、テストデータとして関連施設より収集した膵癌群100例、対照群90症例を対象に、膵腫瘤検出AI単独による膵癌検出精度ならびに膵腫瘤検出AIと二次所見検出AIの組合せによる膵癌検出精度を評価・算出した。 テストデータにおける膵腫瘤、膵萎縮、膵管拡張、膵管狭窄検出AIの診断能は、ROC解析の局面下面積で0.938、0.901、0.937、0.943であった。また各所見検出AIを総合した膵癌診断能は、感度98.9%、特異度93.0%であり、トレーニングデータの増加と総合診断プログラムを採用したことにより、以前のモデルと比較して大幅な診断能改善が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵腫瘤および膵癌に付随する頻度の高い二次所見(主膵管拡張、主膵管狭窄、膵萎縮)の自動検出モデル作成が確立し、膵癌診断能においても十分な性能が確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施された、① 人工知能を用いたCTによる膵癌自動診断アルゴリズム構築、② 早期膵癌におけるCT画像の特徴抽出と自動診断アルゴリズム構築、に加えて、③ 膵癌自動診断システムを用いた膵癌スクリーニング・早期診断の臨床試験実施、に向けて研究を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミック影響下のために国際学会出張での成果発表に至らなかったことにより次年度使用額が生じた。 次年度で研究を進行させるとともに国際学会での発表によって予算を使用予定である。
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