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2023 年度 実施状況報告書

ダイナミックPET検査における人工知能による動脈血放射能曲線の推定

研究課題

研究課題/領域番号 22K07658
研究機関北海道大学

研究代表者

加藤 千恵次  北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (10292012)

研究分担者 渡邊 史郎  北海道大学, 大学病院, 助教 (10802415)
孫田 惠一  北海道大学, 大学病院, 診療放射線技師長 (20636419)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード18F-FDG / ディープラーニング / コンパートメントモデル解析
研究実績の概要

18F-FDGダイナミック脳PET検査は、ダイナミック脳PET画像データにコンパートメントモデル解析を行うことで、脳組織のブドウ糖摂取率や脳血流量を定量評価できるが、そのためには、従来の方法では、検査時に連続動脈採血を同時に行う必要がある。動脈採血は、侵襲的で被検者に身体的苦痛を与え、さらに採血を実施する医師の被曝が多いという問題点がある。この課題を解決するために、18F-FDGダイナミック脳PET画像から、ディープラーニング技術を用いて、動脈血放射能曲線を推定するプログラム開発を行った。
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)にてディープラーニングのアルゴリズムを構築した。本研究ではXceptionと呼ばれるネットワークモデルを使用した。畳み込み層での情報の特徴量を抽出し、プーリング層で畳み込み層で抽出された特徴量のダウンサンプリングを実施し、特徴量を局所的な代表値に集約した。処理の流れはまず、入力層に画像を入力し、続いて隠れ層では図中の構造を8回繰り返した後、出力層で最終的な処理を実施する。また、Xceptionは合計71層のネットワークモデルであるが、隠れ層は同じ構造を8回繰り返すという構成にしたてプログラミング実装を行った。
18F-FDGダイナミック脳PET画像と同時採取した動脈採血データは、28症例の臨床データを、ディープラーニングのために半数の症例を教師データに用い、残りの半数の症例データを検証用データに用いた。教師データの18F-FDGダイナミック脳PET画像から動脈放射能曲線を推定する訓練を実施した畳み込みニューラルネットワークを作成した。そして、検証用の症例の18F-FDGダイナミック脳PET画像から、採血で得た動脈放射能曲線と統計的な有意差のない動脈放射能曲線を推定することが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

28例のダイナミック脳PET画像と動脈血漿放射能曲線のデータをディープラーニングアルゴリズム(CNN)に学習させ、別のダイナミック脳PET画像から動脈血漿放射能曲線を非侵襲的に推定し、従来の採血法と同等の脳ブドウ糖代謝定量画像を得ることに成功した。
さらにCNNがPET画像中のどの領域に注目して動脈血漿放射能曲線を推定したか可視化するClass Activation Mapping(CAM)のプログラムも開発した。
これらの研究成果を欧州核医学会学術大会で発表し、英文論文もNuclear Medicine Communicationsに採択された。

今後の研究の推進方策

ダイナミック脳PET画像の症例データ数を増やして、より精度の高いディープラーニングアルゴリズムの構築を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A convolutional neural network-based system to estimate the arterial plasma radioactivity curve in 18F-FDG dynamic brain PET study2023

    • 著者名/発表者名
      Kawauchi Keisuke、Saito Mui、Nishigami Kentaro、Katoh Chietsugu
    • 雑誌名

      Nuclear Medicine Communications

      巻: 44 ページ: 1029~1037

    • DOI

      10.1097/MNM.0000000000001752

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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