研究課題/領域番号 |
22K07662
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小坂 一斗 金沢大学, 附属病院, 准教授 (80547175)
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研究分担者 |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
中村 慶史 金沢大学, 附属病院, 講師 (30608691)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肝腫瘍 / 肝内胆管癌 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
iMCC 7例を対象(切除例)として病理所見にて腫瘍内の脈管、血洞を評価し、動注CT所見との対比を行ったところ、全例周辺肝に対し置換性発育を示し、内部に門脈域(PT)を認めた。腫瘍内動脈(HA)は、門脈(PV)・胆管(B)に伴走するHA(A-type1)、Bのみが伴走するHA(A-type2)、小線維帯内でPV・BのないHA(A-type3)、線維帯を有しないHA(A-type4)に分類され、薄壁血管も観察された(probable HV)。CTAPでは全例血流欠損、CTHA1st-phaseでは3例が腫瘤全体濃染と周辺に楔状早期濃染、2nd-phaseで全体に濃染は持続し周辺楔状濃染も拡大を示し、腫瘍辺縁からHVへの還流を観察され、またinterfaceではPT・HVが拡張・増加、腫瘍内HAはA-type2, 3が主で、probable HVは散在、CD34陽性血洞が観察。残り4例はCTHA 1st-phaseで腫瘍辺縁濃染と楔状早期濃染を認め、変性を伴っていた。非変性部やinterface、周辺肝の脈管系は先の3例と同様であったことからiMCCは、腫瘍辺縁はAP-shuntで、腫瘍内部はPT内HA遺残で栄養され、腫瘍血洞を潅流後interfaceと周辺肝HVを経て還流すると考えられた。進行するとinterfaceと周辺肝のAP shuntからの腫瘍血洞への血流が主体となると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在は定性的評価での成績となっているものの、肝内胆管癌の血行動態(neoangiogenesis < vessel co-option)とprogression modeの解析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
まずはケースシリーズとして病理学的・CT画像の定性評価の成績を学術誌に投稿する予定である。また定性的評価のみならず定量的評価へ発展させる準備も行っているところである。実際には150例のデータベースのうち、59例の病理組織学的な染色はすでに終えている状況である。腫瘍内・外の脈管をワークステーションにてセグメンテーションし、Vessel co-optionに寄与している血管の分布の定量化データと画像の対比を進める。現在肝内胆管癌を検討しているが、転移性肝癌にも広げて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた国際学会の参加がコロナ感染症の関係で中止となったため。 余剰金については予定通り、学会参加費、設備(画像解析装置・染色装置)に充て、資料収集、英文校正を充実させていく予定である。
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