研究課題/領域番号 |
22K07665
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西尾 瑞穂 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50581998)
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研究分担者 |
藤本 晃司 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10580110)
杉山 治 近畿大学, 情報学部, 准教授 (40586038)
倉田 靖桐 京都大学, 医学研究科, 助教 (40836178)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 深層学習 / 自然言語処理 / 放射線診断学 |
研究実績の概要 |
Radimagenetと呼ばれる100万枚ほどのラベル付きの放射線画像を利用できるようになったため、放射線画像に関する深層学習の基盤モデルの作成を行った。Radimagenetをベースにすることで、医用画像に関する様々な用途に利用可能なモデルを開発できる可能性がある。今回開発した基盤モデルからの派生モデルも作成中である。 JMIDと呼ばれる日本医学放射線学会が管理・運用するデータベースを利用できるようになった。JMIDのデータベースには100万件以上のCT・MRI検査(数億枚のCT・MRI画像)があるとされ、これを用いることで医用画像の基盤モデルの作成の高性能化が期待できる。 また、胸部単純レントゲン写真からレポートの文章を生成するシステムのプロトタイプを作成した。現状では、胸部単純レントゲン写真から英語のレポートのみを出力するモデルとなる。現在は、英語のレポートだけでなく、日本語のレポートを出力できるようモデルを改造している。 放射線診断レポートに関する自然言語処理として、named entity recognitionを行うモデルを作成した。また、放射線診断レポートから肺癌のTNM分類を推定するモデルの作成も行った。これらに関する論文を執筆し、NTCIR16で発表した。また、医療画像に関する深層学習のモデルを複数作り、その論文が掲載された。主なものとしては、前立腺癌の自動スコアのモデル、骨転移の自動検出のモデル、COVID19を自動診断するモデルなどがあげられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、主に(i) 医用画像に関する基盤モデルの作成、(ii) 胸部単純レントゲン写真からレポートの文章を生成するシステムのプロトタイプの作成、(iii) 放射線診断レポートについての自然言語処理の研究、の三つを行った。この点から研究はおおむね順調に進展していると考えられる。今後は、JMIDのデータベースが利用できるため、研究がより進展出来ると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
RadimagenetのデータセットやJMIDのデータベースが利用できるため、これらを使った医用画像や医用文書の基盤モデルの作成を行う。また、作成された基盤モデルからの派生モデルの研究も行う。胸部単純レントゲン写真からレポートの文章を生成するモデルの改善も行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナで学会出張が少なかったこと、RadimagenetのデータセットやJMIDのデータベースが利用できるようになり、データセットの加工のための費用が抑えらえたこと、の二点が影響した。
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