研究課題/領域番号 |
22K07675
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 英介 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (00439150)
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研究分担者 |
山本 哲哉 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30375505)
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70383643)
三輪 建太 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (40716594)
堀 拳輔 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (60964400)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / 深層学習 / 腫瘍構造 / ホウ素濃度 |
研究実績の概要 |
本研究では,ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)における“ホウ素濃度の最適化”と“患者への投与線量の低減”を目指し,腫瘍構造を反映したホウ素濃度推定法の確立を目的とする.ホウ素濃度の推定に向け,深層学習における数理モデルを腫瘍画像解析に組み合わせる.開発プロセスのマイルストーンとして,[1:MR画像から腫瘍領域の特徴量を抽出] - [2:超解像でPET画像を高解像化] - [3:腫瘍領域の特徴量とPET画像(高解像)を入力してSUVを出力] - [4:出力されたSUVを従来手法のSUVと比較して臨床的妥当性を評価] を設定する.エンドポイントは,“MR画像から抽出した腫瘍領域の特徴量”と“超解像したPET画像(高解像)”を入力して“腫瘍構造が反映されたSUV”を出力する数理モデルの構築であり,腫瘍構造を反映したホウ素濃度推定法を確立することにより,BNCTの治療成績向上を目指す. 令和4年度は,[1:MR画像から腫瘍領域の特徴量を抽出]をマイルストーンに設定した.はじめに,Pythonを用いてU-netを実装し,MR画像から腫瘍領域を抽出するネットワークの構築に取り組んだ.次に,95名分のMR画像(T1強調画像・造影T1強調画像・FLAIR画像)をトレーニングデータとして学習を行った後,15名分のMR画像(T1強調画像・造影T1強調画像・FLAIR画像)をテストデータとして腫瘍領域抽出画像を出力した.最後に,テストで得られた腫瘍領域抽出画像の一致率をJaccard係数で評価し,腫瘍領域抽出画像の視覚的評価を行った.その結果,テストデータ(15名分)の一致率は5.31~60.0%であった.本研究の結果から,本研究で構築した腫瘍領域の抽出精度は高くなく,より高い精度で腫瘍領域を抽出するために課題を解決する必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度:MR画像から腫瘍領域の特徴量を抽出 MR画像から腫瘍領域を抽出するネットワークを構築することには成功しているが,当初の想定より抽出精度が低い結果となった.腫瘍の抽出精度は,トレーニングデータの量と質に依存する.そのため,トレーニングデータ数を増やすこと,トレーニングデータに前処理を行うこと,トレーニングデータを悪性度によって事前に分類すること,エポック数を増やすことなどが必要であり,高い抽出精度を達成するためのネットワークの再構築に取り組んでいるところである.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度:超解像でPET画像を高解像化 高い抽出精度を達成するためのネットワークの再構築と並行して,[2:超解像でPET画像を高解像化]にも取り組み始めている.超解像によりPET画像を高解像化する数理モデルを構築するため,PET画像の高解像化を実現している文献を参考とし,ペアのトレーニングデータを必要としない敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network:GAN)をベースに超解像(Self-Supervised Super-Resolution:SSSR)を実行する.PET画像は,通常の診療で既に取得済みのデータ50例とする.目標とする解像度は,200%(2倍)以上とする.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:令和4年度は,[1:MR画像から腫瘍領域の特徴量を抽出]に取り組んだ.この際,本学科に導入されている深層学習用ワークステーション(PLUS-AIDEV-HPZ2G5-RTX3090)にNeural Network Consoleを実装して研究を遂行したが,MR画像から腫瘍領域を抽出するためのプログラム構築がメインとなり,高速演算を加速させるGPU(RTX3090)の導入は見送った.また,国際研究集会に参加する時間を確保できず,外国旅費の支出をしなかった. 以上が,次年度使用額が発生した主な理由である. 使用計画:令和5年度では[2:超解像でPET画像を高解像化]に取り組むことを予定しており,さらなる高速演算を可能とする GPU(RTX3090)の導入を検討している.また,本研究課題に関連する情報収集に必要な外国旅費および実験に必要となる研究旅費の支出を計画している.
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