研究課題
今年度は、複数のMRI撮像法、複数パラメーター、PETも含めた包括的評価であるMultiparametric imaging、そしてその主要なComponentであるUltrafast DCE MRIやDWIについてのOverviewを総説として3本出版した。研究においては、Ultrafast DCE MRIとDWIのパラメーターを組み合わせてTriple negative subtype を予測できることを示した。またPETについて検診のSettingではあるが他のモダリティとの比較を検討した。今年度進行中のProjectとしては、Ultrafast DCE MRIの評価タイミングの最適化とパラメーター選択、およびTumor related vessels についての検討が数百例を対象として進められており、途中経過について国内外で学会発表を複数回行っている。このうちTumor-related vesselsについては定量化のための自動Segmentation手法をU-netを用いて開発し、Dice 0.8 を超える領域抽出能を得て従来困難であった腫瘍血管の定量データ計測の高速化を可能とした。また、年度後半からは治療効果反転につき、高解像度拡散強調画像を用いた腫瘍体積、拡散強調画像での腫瘍径による乳癌薬物療法の治療効果判定、特に中間評価での治療効果判定の可能性を検討した。結果、初期検討においては中間評価での拡散強調画像で測定した長径が最終的な治療効果(病理学的完全奏効)と最もよく相関することを見出し学会で報告した。レジメ毎の解析を行う程の症例数はなかったため、本テーマについては症例を重ね次年度での論文化を計画している。その他は、治療後のDWIでの残存病変評価が治療後の予後と関連することについても学会発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
おおむね順調に進捗している。ただし、各々のProjectについて症例数が少ないため、最終年度では症例数の蓄積が望まれる。
順調な進捗を踏まえ、最終年度は成果発表とともに今までの検討で得られた初期報告を他誌かなエビデンスとしてまとめるべく、症例数を重ねたり、詳細な解析をかさねることを予定している。また、最終的な目的の一つとして術前診断能の向上があるため、今まで得られた知見を用いてより詳細な診断を行い、それらの結果を病理診断と就き合わせた結果も蓄積・検討のうえ発表・論文化していく。また、治療効果判定については昨今薬剤の進歩が著しくそれによる治療効果そのものの改善もあるため、十分な数がある場合には治療レジメによって分けた解析も予定している。これらにより、広がり診断や残存腫瘍の診断精度の改善が期待される。
国際学会が次年度早期の5月に予定されており、海外学会出張の予算を確保したため。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 9件、 招待講演 6件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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