研究課題/領域番号 |
22K07699
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上谷 浩之 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80583046)
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研究分担者 |
平井 俊範 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40274724)
阿部 修 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50302716)
植田 光晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60452885)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | COVID / MRI / NODDI / 後遺症 / voxel-based morphometry |
研究実績の概要 |
COVID-19回復後も倦怠感や筋力低下、疼痛、睡眠障害、気分障害などの訴えが持続するCOVID-19の後遺症が存在する。それらのCOVID-19の神経学的後遺症は、ウイルス感染後の疾患としてよく知られている筋痛性脳脊髄炎/ 慢性疲労症候群(myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome : ME/CFS)に類似し、COVID-19回復後患者の約3割にME/CFSに類似した症状を呈したという報告がある。しかし、ME/CFSは通常のMRIでは異常はみられず、客観的な診断法は確立されていない Neurite orientation dispersion and density imaging (NODDI) は近年開発された新たな拡散画像解析法であり、比較的短時間に神経突起の密度や神経線維のばらつきの程度などを定量化することが可能である。本研究では、3T MRIにてNODDIによる脳微細構造解析と高分解能3DT1強調像から得られる脳領域容量領解析、resting-state functional MRIによる脳機能的結合度解析によるマルチパラメトリックスタディで、COVID-19神経学的後遺症の客観的な診断手法の確立を目指す。 4名のCOVID-19の後遺症患者でNODDIを含むMRIを撮像した。また、16名の健常ボランティアでNODDIを含むMRIを撮像した。今後、健常ボランティアとCOVID-19の後遺症患者での撮像を追加し、健常者と群間比較やマルチパラメトリックスタディで診断能を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の後遺症患者のMRI撮影が少ない
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者と協力し、COVID-19の後遺症患者のMRI撮像を10例程度行い、比較検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
患者群の撮影が不足したため、学会参加による旅費申請が少なく、かつ研究計画に遅延が生じたため論文作成にかかる費用を計上していなかった。翌年度に論文作成のための支援ソフト購入や学会参加のための旅費、英文校正費を計上予定である。
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