研究課題/領域番号 |
22K07704
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
澤田 将史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10824948)
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研究分担者 |
深田 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50338159)
小池 直義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (60464913)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 放射線感受性 |
研究実績の概要 |
膵臓癌細胞(MIA PaCa-2, Panc-1, Capan-2)に対してミトコンドリア電子伝達系complex IからVの阻害剤である、Metformin 、Lonidamine、Atovaquone、hydrocortisone、oligomycin の放射線増感効果を探索した。 2022年度はin vitroでの増感効果を得られるかcolony formation法にて検証した。上記の膵臓癌細胞を通常培地に播種し、各種の電子伝達系阻害薬あるいはコントロールを投与した。培養開始から24時間後に放射線照射0、10Gyを行った。いずれも培養開始から48時間後に通常培地に交換した。10-14日後に固定し、細胞の生存率を計測した。放射線増感効果は明らかではなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
colony formation法にて、膵臓癌細胞において電子伝達系阻害薬のin vitroでの放射線増感効果を示せなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
膵臓癌細胞における電子伝達系阻害剤の放射線増感効果を引き続き検証することをも目標に、次の通り研究を進める。 既存の文献なども参照し、適切な薬剤の暴露期間や用量を再考する。同条件で電子伝達系が阻害されていることを酸素消費速度の測定などで検証する。 膵臓癌組織は低酸素・低栄養であることも知られており、そのような条件での放射線増感効果を検証する。具体的には、低栄養培地を用いてや低酸素状態を作り出してのcolony formation法を行う、spheroidを形成させた上で中心部の細胞死を見るなど。 これらの検討で増感効果を得られる薬剤があれば、その機序の解明を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
用いる細胞腫の一部は当教室で予め継代していたものを使用しており、新規購入が不要であったため、またcolony formation法にて各種電子伝達系阻害薬の放射線増感効果を示せず、引き続いての実験に必要な試薬などを購入していないため次年度使用額が生じた。2023年度には放射線増感効果を示す試薬・条件を同定し、その機序に関して実験を進める予定であり、その実験にかかる費用に次年度使用額を充てる予定である。
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