研究課題/領域番号 |
22K07740
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古田 寿宏 東京大学, 医科学研究所, 講師 (20597885)
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研究分担者 |
上山 毅 東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (30813406)
阿部 修 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50302716)
越野 沙織 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50801552)
鈴木 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 副診療放射線技師長 (70420221)
加藤 伸平 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (90851387)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳画像解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、MRIを用いてコンタクトスポーツが脳の構造・機能に及ぼす影響を調査し、軽症の外傷性脳損傷(traumatic brain injury: TBI)のバイオマーカーとしての神経画像所見が存在するかどうかを明らかにし、存在するならばその病態解明を目指すことである。 本研究は2019年から開始し、2020年度以降は新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で研究を継続し、現在は、東京大学運動会アメリカンフットボール選手のべ187名のMRIデータを用いた解析を行っている。各種MRI指標から得られた情報は以下の通りである。 静脈奇形などの軽微な病態が3名に見つかっているが、コンタクトスポーツを行うことは問題ないと判断されている。voxel-based morphometry (VBM)やsurface-based morphometry (SBM)による解析では、脳震盪歴のある選手とない選手の間で有意な差は認められなかった。アメリカンフットボールのポジション別による解析では、VBMにおいて、スキルポジションとラインポジションに有意差が認められた。 拡散MRIにおいて、脳内ネットワークを数値化したconnectivity matrixのグラフ解析では、脳震盪歴の有無やポジション別での有意差は認められなかった。TBSSやGBSSにおいて、スキルポジションとラインポジションに有意差が認められた。 SWI撮像によって得られた画像を処理し、標準脳空間上のQSM画像として解析したが、脳震盪の既往による脳磁化率の差異は認められなかった。現時点でMRIによる軽症TBIの客観的診断指標は見つかっていないが、本研究では、コンタクトスポーツ選手の脳機能を評価するために複数の脳MRI指標を用い統計学的に解析する有用性が示せていると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
取得したMRIデータ量が多く、種類も多いため、当初想定していたよりも統計解析自体に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
効率的に研究を進められるよう、解析用デスクトップPCの購入を行う(当初2022年度の購入予定としていたが、選定に時間を要したため)。 今年度の結果から、拡散MRIから得られたデータの解釈や、安静時fMRIの解析に今後は注力する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に使用予定だった解析用デスクトップPC代について、選定に時間がかかったため次年度使用額とした。残りは、学会参加費などとして、今年度に分担研究者とともに使用予定である。
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