研究課題/領域番号 |
22K07746
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伏見 育崇 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90639014)
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研究分担者 |
坂田 昭彦 京都大学, 医学研究科, 助教 (10838981)
日野田 卓也 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30885132)
奥知 左智 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (30910517)
吉田 健司 京都大学, 医学研究科, 助教 (50790557)
中島 諭 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80830091)
横山 淳史 京都大学, 医学研究科, 助教 (90529447)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | MR Fingerprinting / 低出生体重児 / 神経皮膚黒色症 / 小児白質脳症 / T1値 / T2値 |
研究実績の概要 |
MR fingerprinting (MRF) の登場により、緩和時定数(定量値)であるT1値、T2値の両者が簡便に取得できるようになりその臨床応用が進展するものと思われるが、その基盤的情報はいまだ不十分である。本研究の目的は、①MRF撮影方法の最適化、②MRFの臨床的有用性の評価、③既存定量画像と組み合わせた評価に取り組み、MRIによる病変診断の精緻化を加速化させることである。 ① MRF撮影方法の最適化: MRFについては、試験的な技術研究は行われているが、実際の患者診療に耐えうるMRF撮影/画像処理方法の最適化は現状では十分に行われていない。本研究では、臨床現場で2Dと3DのMRF撮影を行い、定量値が既知であるファントムの撮影や、健常被験者撮影を行い、比較検討を行った。また、新たな2D MRF撮影方法の共同研究についても積極的に取り組んでデータ収集を行った。 ② MRFの臨床的有用性の評価: T1値・T2値は髄鞘やメラニンに強く影響を受ける。低出生体重児の発達評価(髄鞘形成)、神経皮膚黒色症の重症度評価(メラニン沈着)、小児白質脳症の予後予測(髄鞘崩壊)、といった臨床データの蓄積を行った。 ③ 既存定量画像と組み合わせた評価: また、T1値測定をSTrategically Acquired Gradient Echo法と呼ばれる手法で行い、2D, 3D-MRFと、比較検討を行った。 ①、②、③に効果的に取り組めていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
① MRF撮影方法の最適化: 2022年度においては、多様なMRF撮影に取り組み、ファントム撮影や健常被験者撮影を通じて、臨床現場に即したMRF撮影を追求でき、概ね順調な進展と考えられる。 ② MRFの臨床的有用性の評価:低出生体重児の発達評価については良好なデータ蓄積が得られているが、引き続きデータ蓄積を進める。神経皮膚黒色症については、データ蓄積が良好のため、解析を初めている。小児白質脳症についても臨床データの蓄積を行えたが、引き続きデータ蓄積を進める。概ね順調な進展と考えられる。 ③ 既存定量画像と組み合わせた評価: 初期検討を行い学会報告などを行う予定であり、順調な進展と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
① MRF撮影方法の最適化: 2023年度以降も多様なMRF撮影に取り組む。 ② MRFの臨床的有用性の評価: 順調な経過であり、引き続きデータ蓄積を行っていく。 ③ 既存定量画像と組み合わせた評価: 各種定量値は① で最適化されたMRF撮影方法によっても相関が変わる可能性があり、最適化の手法に既存定量値との比較も加えて検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は概ね順調な進展が得られたが、① MRF撮影方法の最適化の一部において、未達の事項があり、当該助成金が生じた。翌2023年度分として、①MRF撮影方法の最適化、②MRFの臨床的有用性の評価、③既存定量画像と組み合わせた評価のそれぞれを更に加速させるべく、予算を執行していく予定である。
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