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2022 年度 実施状況報告書

小径膵癌の検出および超早期治療効果判定を可能とする重水素代謝MRI法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K07768
研究機関岐阜大学

研究代表者

野田 佳史  岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60643020)

研究分担者 兵藤 文紀  岐阜大学, 高等研究院, 准教授 (10380693)
河合 信行  岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20724561)
加賀 徹郎  岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (20897334)
加藤 博基  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70377670)
松尾 政之  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード膵癌 / MRI
研究実績の概要

膵癌は本邦の癌死のうち第4位の死亡者数を数え、癌で命を落とす患者の10人に1人は膵癌が原因とされる。膵癌の根治的治療法は手術のみであるが、診断時には既に手術ができないほど進行している症例が多く、手術可能な小径膵癌の検出や、手術前に施行する抗癌剤治療の正確な効果予測が膵癌患者の予後改善には必須である。2020年代に入り、重水素化分子プローブに基づくdeuterium metabolic MRI(dMRI)の研究が注目され始めたが、研究用機種である4.7~11.4-Tの高磁場MRIを使用しており、実臨床への応用にはほど遠い。本研究では、実臨床で用いられる1.5-T MRIで実現可能なdMRI による重水素を指標とする代謝イメージング法を確立し、重水素化分子プローブを用いた小径膵癌の描出や術前抗癌剤治療効果の早期診断への展開を目的として研究を進めている。本年度は、膵癌モデルマウスに重水素を自由飲水させた後、種々の抗がん治療を実施して治療効果が重水素イメージングにおける腫瘍内の信号強度に影響を与えるか検討を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者らの予備検討において、抗癌剤(GEM)投与3日目の重水飲水マウスにおいて既にdMRI画像強度の有意な低下が惹起されていることがわかってきた。一方で通常のMRI画像においては、腫瘍形態に変化がないことから、dMRIを用いた早期治療効果の検出の可能性が示唆されている。
R4年度は、抗癌剤治療(Gemcitabinen)後の様々なタイムポイント(1日、3日お呼び7日)での計測において、DMRIの検出感度と早期治療効果の検出の時間的な動態を明確にした。さらに、抗癌剤治療や放射線治療に対する重水代謝イメージングの有用性を補完する目的で、摘出した膵癌を用いて800 MHzNMRによる重水素量を定量的に評価を実施して、膵癌組織内に重水素が蓄積していることを明らかにした。
以上、早期薬効評価の検証が進んでおり、概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

来年度は他の抗がん剤や放射線治療における検討を進め、重水素イメージングの治療
応答と形態学的変化(腫瘍縮小)との時間・動態的な解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

物品購入費用が抑えられたため。物品購入は次年度に繰り越す予定。

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公開日: 2023-12-25  

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