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2022 年度 実施状況報告書

脂質ラジカルを標的とするラジオセラノスティクスプローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K07784
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

山崎 俊栄  神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60636710)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードラジカル / 脂質 / 放射性同位元素 / プローブ
研究実績の概要

ラジオセラノスティクスは、診断用の放射性同位元素と化学的性質が同一または類似し、細胞殺傷性の高いα線やβ線を放出する放射性同位元素の双方を活用した、診断と治療を一体化できる手法であり、盛んに開発が進められている。しかし、未だ検出不能ながんもあるなど、その実現に向けて、画像診断マーカーの探索は、依然重要な課題となっている。一方、酸化ストレスの亢進は多くのがんで見られる現象であり、有用な診断指標となり得ると期待される。特に、脂質アルキルラジカル(脂質ラジカル)は、脂質過酸化の起点となる物質であり、種々の疾患との関連が報告されているものの、がん種に応じた発生量や変動などに関して不明な点も多い。そこで、本研究では、脂質ラジカルを標的としたラジオセラノスティクスプローブの開発を目的とし、脂質ラジカルが、がん病巣を特定し、治療効果を判定できる分子として有用であるかを検証する。
本年度は、放射性同位元素標識脂質ラジカル反応性ニトロキシド誘導体の合成を進めた。脂質ラジカル反応性ニトロキシドにスペーサーを導入するにあたり、官能基変換により生じた異性体の分離同定に時間を要した。得られた異性体の物性を精査したところ、還元反応性にわずかながら差があることが明らかとなり、TEMPO系ニトロキシドの異性体に関する数少ない有用な知見を得ることができた。現在、次のスペーサー導入を検討しているところであるが、得られる化合物の安定性に課題があり、引き続き条件検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

合成中間体として得られる異性体の分離および同定に時間を要したものの、目的分子の合成は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

異性体の分離や・スペーサー導入中間体の不安定性などの理由から合成収量の低下が課題となっており、還元反応性の差がわずかであることから異性体を分離せずに混合物として次の工程に使用する、あるいは、スペーサーの導入条件を検討するなどして対応したいと考えている。その後は、計画通り、標識前駆体の合成、標識検討を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

異性体の分離精製に若干時間を要したことから、当初計画していた試薬の購入が次年度に持ち越しとなったため、次年度使用額が生じた。次年度に同実験を行う際に使用を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of relative configuration of TEMPO-type nitroxides on ascorbate reduction2023

    • 著者名/発表者名
      Azuma Risa、Yamasaki Toshihide、Emoto Miho C.、Sato-Akaba Hideo、Sano Kohei、Munekane Masayuki、Fujii Hirotada G.、Mukai Takahiro
    • 雑誌名

      Free Radical Biology and Medicine

      巻: 194 ページ: 114~122

    • DOI

      10.1016/j.freeradbiomed.2022.11.033

    • 査読あり
  • [学会発表] 2位、4位ジ置換TEMPO型ニトロキシドの反応性に対する立体異性の影響2023

    • 著者名/発表者名
      東 里沙,山﨑 俊栄,江本 美穂,赤羽 英夫,佐野 紘平,藤井 博匡,向 高弘
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会

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公開日: 2023-12-25  

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