研究課題/領域番号 |
22K07798
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
船間 芳憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (30380992)
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研究分担者 |
中浦 猛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (90437913)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | CT / 線量 / 造影剤ヨード |
研究実績の概要 |
本研究の目的は造影CTにおいて、非造影CTに対する線量増加を詳細に検討し、現在の非造影CTの線量指標に造影剤ヨードによる影響を表す線量増加係数(ヨード線量増加係数)を新たに組み込み、正確な造影CTの線量管理を提供することである。具体的に本研究では、以下の3点について検討する。1)造影CTでの造影剤増強効果(ヨード含有量)の違いに対するヨード線量増加係数を導く。2)管電圧を低管電圧へ変更した場合の光電吸収の違いによる線量増加の違いを明らかにし、各管電圧に対応したヨード線量増加係数を導く。また、デュアルエネルギーCTで算出可能なヨード含有量を表すヨード密度を活用しヨード線量増加係数を導く。3)小児造影CTについて年齢による体格を考慮したヨード線量増加係数について検討し、小児造影CTに特化した係数を導く。2023年度は、サイズの異なる2種類のファントムと、ヨード造影剤の濃度に関して4種類の濃度を準備した。また、造影剤のみでなく血液にヨードを含んだロッドも2種類準備した。ヨード造影剤による線量増加の違いについて造影剤濃度と管電圧の観点から明らかにするために検討を行った。2種類のファントムサイズでヨード線量を測定するとサイズの大きいファントムがヨードの線量が小さいサイズのファントムよりも高くなる傾向にあった。これは造影剤濃度が異なる6種類においても同様の結果を示した。また、管電圧の変化に対しては、今回は80 kVから120 kVまで変化して検討を行った。管電圧が高くなるほど大きいサイズのファントムの線量増加が顕著となった。一方、小さいサイズのファントムでは緩やかな増加となった。結果的に両サイズの違いによる線量比は、管電圧の増加に伴い大きくなることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎データ取得とシミュレーションのパラメータ調整に時間を要したため当該の研究計画に遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はCTスキャンで取得した画像からシミュレーションによる解析を行い、造影剤を用いた検査でのヨード線量増加係数を導く予定である。また、CT装置の違いによる線量増加係数の違いも導く予定である。これらから、体格や造影剤濃度との関係について一定の結果が得られた場合は、臨床評価も視野に入れて検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ファントムならびに造影剤等の物品購入が必要となり使用予定である。
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