研究課題/領域番号 |
22K07803
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
折居 誠 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70508986)
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研究分担者 |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70210648)
藤原 純平 岩手医科大学, 医学部, 専門研修医 (60935146)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 大動脈解離 / 人工知能 / CT |
研究実績の概要 |
申請者および研究分担者は,人工知能(AI)による腹部大動脈瘤の同定および瘤径計測,過去画像との対比,診療ガイドラインを参照した治療方針の提示という画像診断補助システムの開発に成功した(Orii M, Fully Automatic Detection And Measurement Of Abdominal Aortic Aneurysm Using Artificial Intelligence, RSNA 2021).大動脈解離の発症危険因子を同定し,発症高リスク群を抽出するためには,本システムを腹部大動脈から胸部および骨盤部の動脈にも応用する必要があると考えた. 特に腸骨動脈では近接する腸管などとの判別が困難で開発に難航したが,最終的には高い診断精度(大動脈セグメンテーションにおけるDice score:全大動脈で0.90,胸部大動脈で0.94,腹部大動脈で0.93,腸骨動脈で0.83)で開発に成功した.AIが検出できた217例の大動脈瘤に対し,放射線診断レポートとの最大短径の誤差は0.83 ± 2.68mm,相関係数が0.974であった. 本結果については,JCS2023-第87回日本循環器学会学術集会で成果報告を行った(Fujiwara J, Orii M, Yoshioka K. Diagnostic accuracy of an automatic detection and measurement system of aortic aneurysm using deep learning-based artificial intelligence).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AIを用いてCTにおける大動脈解離発症リスク所見を同定するためには,発症前のCTにおける全大動脈のセグメンテーションと大動脈径,大動脈性状の自動抽出が必須である.そのための全大動脈におけるセグメンテーションおよび大動脈径の自動計測システムは,順調に開発に成功した.
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今後の研究の推進方策 |
全大動脈におけるセグメンテーションおよび大動脈径の自動計測システムを用いて,大動脈解離発症前に撮像された造影CT画像と年齢性別をマッチさせた対照群に対して機械学習を実施する.医療圏において発症高リスク群を共有するシステムを確立するために,大動脈解離発症リスクとなるCT画像所見の同定を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
AI実行用サーバーの設置のために次年度使用額が生じた.サーバー設置と合わせて,国際学会での成果報告,論文発表に使用予定である.
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