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2023 年度 実施状況報告書

乾燥臍帯を用いたGATA1遺伝子解析-TAMの診断スコアリングシステム構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K07815
研究機関旭川医科大学

研究代表者

岡本 年男  旭川医科大学, 医学部, 講師 (20431405)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードGATA1 / 一過性骨髄異常増殖症 / ダウン症候群
研究実績の概要

一過性骨髄異常増殖症(TAM)はダウン症候群の新生児期の重要な合併症であるが,変異クローンが微量であるが故に見過ごされる症例も存在する.これらの症例でも重篤な経過を辿る場合や白血病に進展する場合があるため,新生児期にTAMを正確に診断することは極めて重要であると言える.本研究ではTAMのより正確な診断に向け,Down症候群児の乾燥臍帯を用いて次世代シーケンサーによるGATA1遺伝子検査を行いTAMを後方視的に診断し,新生児期の血液検査所見や臨床像を組み合わせた診断スコアリングシステムを構築することを目指している.
当該年度でエントリー患者数を計51名となった.全例の乾燥臍帯からゲノムDNAを抽出し,前年度同様に得られたDNAの濃度及び品質をアジレント社の Agilent 2200 TapeStation システムを用いて測定した結果,抽出できたDNA濃度の中央値は52.7ng/ml(範囲 6.21-388 ng/ml),DNA Integrity Number (DIN) 値の中央値は4.0(範囲 1.6-7.1)で,年齢が高いほどDIN値は低下しDNAの分解が進んでいることが示唆された.また,ターゲットシーケンスのパネルデザインを行い,抽出したDNA検体の一部を用いてライブラリ作成を行っている.ライブラリ作成が一定数に達したら実際の解析を行う予定である.
また,スコアリング項目を選定するため,臨床的にTAMと診断した14例とTAMを発症しなかった75例の臨床像を比較検討した.その結果,胎児水腫・肝腫大の合併,出生時白血球数・LDHの高値,生後3か月までの白血球数・直接ビリルビン値・AST・ALT・LDHの最高値,血小板減少・胆汁うっ滞の遷延がTAMの特徴的所見であることを見出し,これらはスコアリング項目の候補と考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

次世代シーケンスのライブラリ作成において、乾燥臍帯から抽出したDNAの分解度や夾雑物混入の程度などによって十分な収量が得られないことがあるため、現在使用するDNA量やPCRサイクル数などの条件を変えて予備実験を繰り返している。最終的な条件の決定にはもう少し時間がかかる見込みである。

今後の研究の推進方策

予備実験を繰り返し、最終条件を決定する。その後、全ての検体でライブラリ作成を行い、解析に移る予定である。解析結果を元に、臨床的TAMで認められた身体所見や血液検査結果の特徴を中心に、本研究の最終目的であるTAM診断のためのスコアリングを構築する。

次年度使用額が生じた理由

患者エントリーに時間を要し、物品費等を計上していた次世代シーケンサーでの検討を開始するのが遅れたため、次年度使用額が生じた。現在は次世代シーケンサーでの検討を進めているため、差額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 一過性骨髄異常増殖症14例の臨床像2023

    • 著者名/発表者名
      岡本年男
    • 学会等名
      第67回日本新生児成育医学会

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公開日: 2024-12-25  

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