研究課題/領域番号 |
22K07826
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
荻原 建一 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50623500)
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研究分担者 |
野上 恵嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50326328)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | フォン・ウィルブランド因子 / 血液凝固第VIII因子 / フォン・ウィルブランド病 / 血友病A / クリアランス受容体 / 一塩基多型 |
研究実績の概要 |
本研究では、血液凝固第VIII因子(FVIII)およびフォン・ウィルブランド因子(VWF)の半減期に異常を示す血友病Aおよびフォン・ウィルブランド病(VWD)患者において、FVIII/VWF遺伝子解析に加え、これら5遺伝子の一塩基バリアント(SNVs)解析を行い、FVIII/VWF半減期異常に関与するクリアランスレセプターを絞り込み、さらに遺伝子組換え実験により当該レセプター発現細胞におけるFVIII/VWF取り込み様式を野生型と比較することを計画している。 R4年度は、当院小児科へ通院中の血友病A患者およびvon Willebrand病(VWD)患者のうち、臨床的必要性からすでにFVIII製剤やVWF製剤のPK解析を実施している者の中から、本研究の対象となり得る患者候補を挙げた。 血友病A患者において、FVIII製剤投与時の半減期が極めて長い患者1例を見出した。VWD患者においては、DDAVP負荷試験におけるVWF上昇後の半減期が短い5例のtype1 VWD症例を見出した。このうち1例は遺伝子解析によりVWF遺伝子に既知変異を認めておらず、治療目的に投与したVWF製剤の半減期も顕著に短く、抗VWF抗体も同定できない症例であり、クリアランスレセプターの関与が最も疑われる。 現在、FVIII/VWFのクリアランスレセプター候補の4遺伝子(STAB2、SCARA5、CLEC4M、LRP1)とFVIII/VWFとの関連が指摘される機能不詳のTC2N遺伝子を合わせた5つの遺伝子の解析パネルを作成中であり、上記症例において同意取得のもと、随時解析を開始していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の対象となる「VWFやFVIIIの血中半減期が極端に短いか長い」症例の候補を見出すことができた。対象遺伝子解析のためのパネル作成も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者の遺伝子解析のための同意取得を進める。VWD患者においてVWF遺伝子解析が未実施の症例においては、同意取得のもと、先にVWD遺伝子解析を実施し、既知の半減期短縮変異(type1C VWD, R1205H)を除外し、候補症例を絞り込む。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定している遺伝子解析パネルの作成の支出が次年度に持ち越しになったため
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