研究課題/領域番号 |
22K07851
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
森本 哲 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (30326227)
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研究分担者 |
川原 勇太 自治医科大学, 医学部, 講師 (10570385)
翁 由紀子 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30438650)
新島 瞳 (松本瞳) 自治医科大学, 医学部, 助教 (70598937)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ランゲルハンス細胞組織球症 / 溶骨 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
LCHは、乳幼児に好発し、しばしば再発する難治性疾患である。溶骨病変が最多で、病変部に破骨細胞様巨細胞が集簇して活性化している。再発部位も骨が最も多く、再発例は尿崩症や中枢神経変性症などの重大な晩期合併症を発症することが有意に多い。骨病変の判定は放射線学的になされるが、骨の修復には時間を要するため、治療反応性や疾患活動性の評価は容易ではない。しかし、LCHの骨病変に対する有用なバイオマーカーはなく、疾患活動性や治療効果の判定、再発リスクを予測する指標はない。日本では2021年より骨再発の減少を目指し多発骨型LCHに対してビスホスホネートを導入した臨床試験LCH-19-MSMFBが開始された。この臨床試験登録例の検体を用い、骨代謝マーカーおよび破骨細胞関連サイトカインを経時的に測定し、骨病変の治療反応や疾患活動性、再発リスクの指標となる有用なバイオマーカーを探索的に見出し、適切な治療選択に役立てる。これまでに、研究対象となる臨床試験に61例が登録された。これら登録例の臨床情報、および、治療前・初期治療相終了時(ビスフォスフォネート前)・維持治療相終了時(ビスフォスフォネート後)に採取された血液検体を収集した。これらの検体を用い、骨代謝マーカー(BAP/NTX/TRACP-5b)、および、破骨細胞関連サイトカイン(IL-3/IL-6/IL-15/IL-17/TNFα/M-CSF/CCL3)を測定する準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象となるLCH-19MSMFB臨床試験には、これまでに61例が登録され、予想を上回る順調な症例集積が得られている。これら登録例の臨床情報、および、治療前・6週後・30週後に採取された血液検体が順調に収集されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
検体および臨床情報の収集をさらに進め、骨代謝マーカーおよび破骨細胞関連サイトカインの測定を行う。これらの測定値と臨床情報との関連を探索的に解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
骨代謝マーカーおよび破骨細胞関連サイトカインを測定するための消耗品の購入費用が計画より少なかったこと、および、COVID-19の影響で学会出席ができなかったため旅費の支出がなかったことから、次年度使用額が生じた。2023年度は測定検体数の増加が見込まれ消耗品の購入費用が増加し、学会出席のための旅費の支出が生じると考えられる。
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