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2023 年度 実施状況報告書

胎児の左右軸形成異常を引き起こす糖尿病母胎環境と分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K07871
研究機関九州大学

研究代表者

北島 桂子  九州大学, 医学研究院, 助教 (00332784)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードWntシグナル / 左右軸 / CRISPR-Cas9
研究実績の概要

研究代表者はWntの阻害因子であるSecreted Frizzled Related Protein (Sfrp)がマウス胚で左右非対称に発現することを見出した。Sfrpスーパーファミリーのうち、8日胚の側板中胚葉で発現する Sfrp1、Sfrp2、Sfrp5に着目し、それぞれの側板中胚葉における発現を制御するシス配列を特定するため、ChIP-Atlasを用いて候補領域を絞り込んだ。まずSfrp5の側板中胚葉エンハンサー(LPME)領域を約500bpに特定し、Sfrp5_LPME-hspLacZトランスジェニック8.0日胚の側板中胚葉におけるレポーター活性を確認した。続いてCRISPR-Cas9法を用い、Sfrp1-/-; Sfrp5-/-二重変異マウスにSfrp5ΔLPMEの変異を導入したSfrp1-/-; Sfrp5Δ/-マウスを作製し、Sfrp1-/-; Sfrp2+/-; Sfrp5-/-と交配して最終的にSfrp1-/-, Sfrp2+/-; Sfrp5Δ/Δマウスを作出する。
またWnt3aの原条エンハンサーの解析について、Wnt3aの原条エンハンサーPSE1に変異を入れたWnt3aΔPSE1/ΔPSE1マウスを作出したが、出生仔の尾長などの表現型は得られな かった。もう一つの原条エンハンサーPSE2にも変異を入れたWnt3aΔPSE1/ΔPSE1;ΔPSE2/ΔPSE2の作出を試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Wnt3aの原条エンハンサーPSE2に変異を入れたWnt3aΔPSE2/ΔPSE2マウスをCRISPR-Cas9法で作出した。これまでに複数の変異パターンの系統が得られたが、ΔPSE2により8日胚の原条で発現が減弱したマウスはを欠失したマウス系統は得られておらず、実験の進行が遅れている。
またSfrp1-/-; Sfrp2+/-; Sfrp5Δ/Δマウスの作出には数世代の交配と繁殖が必要なため、実験が遅れている。

今後の研究の推進方策

Wnt3aΔPSE1およびWnt3aΔPSE2それぞれ単独では8日胚の原条におけるWnt3aの発現に変化が見られないため、Wnt3aΔPSE1/ΔPSE1; ΔPSE2/ΔPSE2の二重変異マウスを作出し、8日胚の原条におけるWnt3a発現の変化を検証する。その後、Wnt3aΔPSE1/ΔPSE1;ΔPSE2/ΔPSE2マウスをWnt3a KOマウスと交配し、ダブル変異胚、トリプル変異胚の表原型を解析することで、Wnt3aのPSE1、PSE2それぞれのエンハンサー 活性を評価する。
Sfrp1-/-;Sfrp2+/-; Sfrp5Δ/Δマウス系統を作出したのち、左右軸関連遺伝子の発現や、心臓形態に影響を与えるかを確認する。Sfrp1とSfrp2のLPMエンハンサーについても引き続き特定を 試みる。

次年度使用額が生じた理由

予算の大半を実験用マウス購入に充てる予定であったが、本年度は変異マウス系統の自家繁殖による実験が多かったため、次年度以降に持ち越しとした。また来年度に解析に必要な機器を購入する予定であり、今年度の予算を繰越使用することとした。

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公開日: 2024-12-25  

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