研究課題/領域番号 |
22K07880
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
石川 百合子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 高度先進医療研究室, (非)研究員 (50584695)
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研究分担者 |
今留 謙一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 高度感染症診断部, 部長 (70392488)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Epstein-Barr virus / CAEBV / ヒト化マウス / EBV感染細胞株 / 薬効モデル |
研究実績の概要 |
ヒトB細胞指向性のEpstein-Barr ウイルス(EBV)がT細胞やNK細胞に感染した場合、難治性のEBV関連リンパ増殖性疾患(EBV-LPD)を発症することがある。EBV-LPDに分類される慢性活動性EBV感染症(CAEBV)の根治療法は造血幹細胞移植のみである。しかし造血幹細胞移植は侵襲の大きな治療法であり、またドナーの確保や合併症リスクといった問題があるため、移植に代わるCAEBV治療薬の開発が急務である。CAEBV治療薬の開発において、EBVはヒト細胞指向性であるため薬効試験にマウスなどの小動物を利用できない。これまでCAEBV治療薬の薬効モデルは、CAEBV患者由来の末梢血単核球(PBMC)を超免疫不全マウス(NOGマウス)に移植することによって作製してきた。しかし、従来のモデル作製は患者検体の入手状況に左右される問題があった。そこで本研究は、安定して大量に作製できる、EBV感染細胞株を用いた薬効モデルの作製を目的とした。 PBMCとは異なり、CAEBV患者由来EBV感染細胞株はNOGマウスに生着しなかった。我々はTおよびNK細胞の増殖因子であるInterleukin-2 (IL-2) が、NOGマウスにおける細胞株の生着を促進する因子であると推測し、ヒトIL-2を細胞株を移植したNOGマウスの腹腔内に連日投与したところ、細胞株の生着が認められた。さらに、恒常的にヒトIL-2を発現するNOGマウス、NOG-hIL-2 Tgマウスにおける細胞株の生着が認められた。現行のCAEBV治療に使用されている抗悪性腫瘍剤を用いた薬効試験を行うことによって、本モデルの薬効モデルとしての妥当性を確認した。よって本研究において、CAEBV治療薬の新規薬効モデルとなる、EBV感染細胞株異種移植モデルの作製法を開発することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は3年間の研究であるが、初年度で研究計画の殆どを遂行したため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において、CAEBV治療薬の薬効モデルとしてEBV感染細胞株異種移植モデルの作製法を開発した。使用したEBV感染細胞株は全て自施設で樹立した株であるため、本モデル作製法の汎用性を確認する目的で、市販のCAEBV患者由来EBV感染細胞株によってもモデル作製が可能であるか検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は初年度に予想以上に研究が進み初年度予算を使い切ったため、直接経費100万円の前倒し請求を行った。その残として次年度使用額が発生した。次年度は当該モデルマウス作製法の汎用性を検討する実験を行う予定である。
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